外国人が日本の賃貸契約で入居審査OKになる3つのポイント
2021-01-06
日本の住まい
外国人人口は年々増加しています。
法務省入国管理局の調べによると、在留外国人数は、約287万人(2020年1月時点)で過去最高になっています。
特に東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の関東1都3県や
愛知県、大阪府など、日本の各地域でも年々増加傾向にあります。
これだけ多くの外国人が住んでいる日本ですが、受け入れ体制は完璧とは言い難く、特に住居に関してはいまだ外国人にとって難しいポイントになっています。
賃貸物件に住む前に、オーナーの入居審査が必要になります。
この入居審査では、
・身分が証明できる
・しっかりとした収入がある
・収入が家賃のおおよそ3分の1に収まっている
など、本人確認や本人の支払い能力について確認されることはもちろんのことですが、身元が証明できて、支払い能力があればそれだけでOKというわけではありません。
審査NGになる理由はいくつかありますが、本日は外国人が審査NGになる理由から3つをピックアップし、その対策も含めてご紹介していきます。
外国人が賃貸物件の審査OKになるポイント①
- 日本語の会話レベル
まず1つ目は日本語のレベルです。
ポイントは『日本語で意思疎通ができるか』です。これも基準が非常に難しいのですが、日常会話程度お話できればOKです、というオーナーは多いです。
しかし、日本語が全く話せない、そして聞いても理解できないとなると、賃貸物件のオーナーや不動産管理会社、家賃保証会社が多言語対応できない場合は、ほとんどが審査NGになります。
最大の理由は、入居後に何かトラブルが起こった際に、意思疎通が取れないのは大問題であるということです。不動産管理会社は、文字通り物件の『管理』をしなければなりません。消防設備の点検など、必要に応じて入居者に書類を送ったり、時には直接電話をすることもあります。
この時に日本語で意思疎通ができないことにより、適切な物件管理ができず、管理会社としては困ったことになります。
そのため、日本で生活する前に、少しでも日本語を勉強しておくとお部屋探しが大変スムーズになります。
契約書の内容を理解する、となると難しすぎますし、かなりの勉強量が必要になりますので、最初は、簡単な会話、特にヒアリングとスピーキングを練習しておくと良いでしょう。
これができるだけで、選べる物件の数がほぼ倍になります。
外国人が賃貸物件の審査OKになるポイント②
- 連帯保証人必須の物件を避ける
外国人にとって連帯保証人を探すのは非常に難しいことです。連帯保証人になる人にはいくつかの条件が付くケースが多いです。
例えば
- 65歳未満であること
- 契約者と同等の収入があること
- 三親等以内であること
- 外国籍であれば永住権を持っている方であること
など、全て同じ条件ではないですが、これらの条件を満たさないと連帯保証人として認められない場合があります。
来日したばかりでこれらの条件を満たす連帯保証人になってくれる人を探すのは不可能に近いかと思います。
ここは割り切って、あえて審査OKになる可能性が低い物件を選ぶよりも、連帯保証人必須の物件をお部屋探し対象から外してしまうというのも一つの手です。
特に東京都内の賃貸物件では連帯保証人ではなく、家賃保証会社を使って契約する物件が増えています。
連帯保証人必須の物件を選択肢から外したとしても、大幅に数が減るというわけではありません。
外国人が賃貸物件の審査OKになるポイント③
- 日本の住まいのルール、マナーを学ぶ・守る
これは①、②とは少し異なるポイントですが、入居後にトラブルを起こさないようにするために、そして今後日本に来る予定の外国人が審査OKになるために、何より大事なことです。
例えば、欧米諸国では靴のまま家に入るのが当たり前ですが、日本では家に入る時に靴を脱ぐのが当たり前です。
友人など、家族以外が大人数でルームシェアをするのは、日本ではそこまで多くありません。
マンションでルーフバルコニーなど、広い屋外スペースがあっても、BBQや、パーティーを行ってはいけない場合が多いです。
このように、日本の住まいルールであったり、文化・慣習などの違いがあるため、オーナーや管理会社の中には、
部屋を汚されてしまうのでは?
無許可で大人数で住んでしまうのでは?
室内やルーフバルコニーなどで、BBQや、パーティーで大騒ぎしてしまうのでは?
と不安視してしまうのです。
そして、ゴミ出しも外国人入居トラブルとして多く挙げられる問題点の一つです。
ゴミ出しの仕方を間違ってしまうと他の住民の方にも迷惑がかかってしまいます。
これらの問題点は、外国人のイメージが一人歩きして、そう思われている場合もありますが、今までに外国人入居者を受け入れて、上記のようなトラブルが実際にあったというオーナーも多くいます。そのようなトラブルで被害を受けたオーナーは、『次からはもう外国人の入居はお断りします!』となってしまうことも多いわけです。
日本の賃貸物件に住む上でのルールやマナーを事前に学んでおくことで入居後のトラブルは減りますし、オーナーさんが外国人入居者に対して良いイメージを持ってくれるでしょう。
【記者の声】
外国人が日本でお部屋探しするのが難しいのは、外国人入居OKな物件がまだまだ少ないから、というのが最大の理由です。
都内では少しずつではありますが、外国人入居に寛容な管理会社やオーナーが増えてきています。これからも外国人人口の増加に伴い、物件も増えていくことでしょう。
もっともっと外国人にとっても日本人にとっても住みやすい国になることを願います。