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都市ガスかプロパンガスか?違いと選び方を解説します

wagayaジャーナル

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都市ガスかプロパンガスか?違いと選び方を解説します

2024-11-19

日本の住まい,日本の文化・慣習

料理や給湯などに使用するガス。日本の住宅に使用されるガスには、都市ガスと、プロパンガスの2種類があります。しかし、外国人の方にとっては都市ガスとプロパンガスの違いやどちらを選んだほうがよいのか分からない方も多いかもしれません。この記事では、都市ガスとプロパンガス2つのガスの特徴と違い、選び方について詳しく説明します。

 

 

都市ガスとプロパンガス

まず、都市ガスとプロパンガスの基本的な違いについて解説します。

都市ガスとは、主にメタンを含む天然ガスが使用されているガスです。人口が密集した都市部を中心に供給されているため、「都市ガス」と呼ばれています。都市ガスは地中に埋設された配管を通じて各家庭に供給されています。そのため、都市ガスの供給は配管エリアに依存しており、利用可能な場所が限られています。

一方プロパンガスとは、プロパン・ブタンなどの液化石油ガスが使用されているガスです。ガスの入ったボンベを事業者が配送し、供給されるため、全国各地に供給が可能で場所を選びません。

都市ガスとプロパンガスどちらの物件なのかはガスボンベの有無で判断できます。ガスボンベが敷地内にあれば、プロパンガス、無ければ都市ガス物件である可能性が高いです。

 

 

 

 

 

 

 

都市ガスとプロパンガスの違い

ここからは都市ガスとプロパンガスの違いについて解説します。

熱量

都市ガスの熱量は11,000Kcal/㎥に対し、プロパンガスの熱量は24,000Kcal/㎥となっており、火力が強いのはプロパンガスのほうです。つまり、原理的にはお湯を沸かすなど同じ作業を行う場合、プロパンガスの熱量は都市ガスの約2倍のため、作業に必要なプロパンガスの量は都市ガスの約2分の1で済みます。しかし実際には、ガス器具で同等の熱量が出力されるようにガス量を設計されており、実際のガス器具は都市ガスとプロパンガスのどちらを使っても、お湯が沸くまでの時間に大差はありません。都市ガスよりプロパンガスのほうが火力が大きいのは事実ですが、家庭用ガス器具ならどちらも火力は同じです。

 

ガス漏れ警報器の位置とガス漏れ時の対応

天然ガスである都市ガスは、空気の半分ほどの重さのためガスが室内に漏れた場合、高い場所に溜まります。そのため、ガス探知機は高い位置に取り付けられています。ガス漏れが発生した時は天井付近をうちわなどで仰いで、ガスを放出しましょう。

一方、プロパンガスの原料は液化石油ガスは、空気の1.5〜2倍ほどの重さがあり、ガスが室内に漏れた場合には足元に溜まります。そのため、ガス探知機は低い位置に取り付けられています。ガス漏れ時は床をうちわなどで仰ぐことによって室外にガスを放出しましょう。ほうきは引火の可能性があるので、使用を避けましょう。

 

料金

都市ガスの料金の計算方法として、東京ガスの例でご紹介します。東京ガスを使用した場合の都市ガスの料金は、基本料金と従量料金の合算額です。従量料金は、使用量に応じた調整単位料金に使用量を掛けて算出します。プロパンガスと異なる点は、使用料に応じて基本料金が変動する点です。

以下の表が東京地区における1か月あたりのガス代の使用料金です。

 

▼東京地区 東京ガス1か月あたりの使用量別ガス代(2024年12月検針分)

1か月あたりの使用量 基本料金 調整単位料金
0㎥から20㎥まで 759円 177.92円
20㎥から80㎥まで 1,056円 163.07円
80㎥から200㎥まで 1,232円 160.87円

 

 

一方で、プロパンガスの料金は、以下のようになっています。

▼東京都 プロパンガス1か月あたりの使用量別ガス代(2024年8月)

1か月あたりの使用量 ガス代(基本料金+従量料金)
5㎥使用 5,084円
10㎥使用 8,274円
20㎥使用 14,606円
50㎥使用 32,546円

 

 

上記を踏まえ、東京地区の1か月あたりのガス使用量別の料金を比較すると以下のようになります。

1か月あたりの使用量 都市ガス プロパンガス
5㎥使用 1,649円 5,084円
10㎥使用 2,538円 8,274円
20㎥使用 4,317円 14,606円
50㎥使用 9,210円 32,546円

※小数点1位を四捨五入

 

 

1か月にガスを5㎥使用した場合の料金は、都市ガスで1,649円、プロパンガスで5,084円です。プロパンガスの料金が都市ガスの約3倍です。しかし、この料金の差がコストパフォーマンスの差というわけではありません。

 

料金を比較するには前述の熱量を考慮する必要があります。プロパンガスの熱量は都市ガスの熱量に対し、約2.18倍あります。つまり、同じ作業をするのに、その分使用するガス量が少なくて済むことになります。
5㎥使用した場合の都市ガスの料金に2.18を掛けると約3,597円となります。しかし、プロパンガスの熱量の優位性を踏まえたとしても、プロパンガスの料金よりも都市ガスのほうが安く、コストパフォーマンスは高いと言えます。

プロパンガスの料金が都市ガスより高い理由は、輸入価格と供給コストの違いです。プロパンガスはボンベで各契約者に供給されるため、都市ガスでは発生しない人件費や配送費がガス料金に上乗せされています。

 

 

 

 

 

 

都市ガスとプロパンガスのメリット・デメリット

 

ここからは都市ガスとプロパンガスのメリットとデメリットを解説します。

 

都市ガスのメリット・デメリット

 

メリット
都市ガスの料金はプロパンガスより安いため、毎月のガス利用料を抑えられる点が都市ガスの最大のメリットです。
また、都市ガスには環境負荷が少ない特徴もあります。プロパンガスと比較すると燃焼時に排出される二酸化炭素量が少なく、輸送による二酸化炭素の排出もありません。

 

デメリット
災害時にガスが止まった場合は、復旧までに多くの時間を要すことがあります。場合によっては、復旧までに数ヶ月かかってしまうこともあります

また、賃貸物件の場合はあまり関係ありませんが、ガス管を自宅に引き込む場合、初期費用が高額な点もデメリットです。

 

 

プロパンガスのメリット・デメリット

 

メリット
プロパンガスのメリットは、災害時の復旧の早さです。災害でガスが止まってしまっても、業者が各家庭のボンベや設備を点検し問題がなければ短期間で復旧できます。

また、プロパンガスは初期費用をかけずに利用開始できます。都市ガスのようなガス管を地下から引き込む必要がなく、高額な初期費用は不要です。

 

デメリット
プロパンガスの料金がは、都市ガスよりも高く設定されている点はデメリットです。先ほど紹介したとおり、ガスボンベを各家庭に届けるための人件費やガソリン代などの配送コストや輸入コストがかかってしまうからです。

 

 

 

 

まとめ

この記事では、都市ガスとプロパンガスの違いと選び方を解説しました。
ガス料金単体でみると都市ガスの方がコストパフォーマンスに優れますが、物件によって都市ガスを使用できない物件も存在します。
しかし、プロパンガス指定物件の場合、賃料が低く設定されている場合も多く、自炊や浴槽の利用が少ないなどガスの使用頻度によっては生活コストを安く抑えられる可能性もあります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して日本での物件選びの参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

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