エスカレーターのルール(関東、関西)
2019-06-12
日本の文化・慣習
同じ日本国内でも関東と関西ではたくさんの違いがあります。
その違いの1つがエレベーターの並び方です。
関東から関西に旅行に行くとつい左側に立ち、右側を人が通れるように空けてしまう方がいるのではないでしょうか。
今回はなぜ関東は左側に立ち、関西は右側に立つようになったのか、また、境界線はどこにあるのか探っていきたいと思います。
なぜ関東は右立ち?関西は左立ち?
なぜ関東と関西でエスカレーターの立ち位置に違いが生まれたのかは、実ははっきりとした理由は分かっていないようです。そのため今回は諸説をご紹介いたします。
【関東が左側に立つようになった理由】
・刀を腰に差していた頃の名残り
侍や武士が日本にいたころ、いざという時にすぐ刀が抜けるよう左の腰に刀をさし左側を歩いていたころの名残が現代にも残っている、という説があります。
【関西が右側に立つようになった理由】
・阪急電鉄のアナウンスがきっかけ
1967年に阪急梅田駅に長いエスカレーターができた時に、「お歩きになる方のために左側をお空けください」というアナウンスが流れたそうです。なぜ右側に立って左側を空けるようにしたのか、詳しい資料は残っていないようですが、利用状況を調べて右手で手すりをつかんで右側に立つ人が多かったというのが1点、また右利きが多い日本では自然と右手で手すりを持つためそのようなアナウンスをしたのではないかという諸説があるようです。
どこからが左立ち?右立ち?
関東と関西と言っても、どこからが左立ちでどこからが右立ちなのでしょうか。九州は関西の中心地である大阪から距離がありますがはたして右立ちなのでしょうか。エスカレーターで立つ位置が左なのか右なのか、各地でアンケートを取られた方のデータをもとに調べてみましょう。
北海道:78.8%が左立ち、3.0%が右立ち
東北:61.1%が左立ち、15.3%が右立ち
甲信越北陸:57.7%が左立ち、12.7%が右立ち
関東:70.0%が左立ち、12.4%が右立ち
東海:62.3%が左立ち、8.9%が右立ち
関西:20.1%が左立ち、57.7%が右立ち
四国:46.8%が左立ち、23.4%が右立ち
中国:58.3%が左立ち、12.5%が右立ち
九州:65.4%が左立ち、13.1%が右立ち
という結果になったそうです。東京と大阪の間にある名古屋や岐阜といった東海地方は意外にも関東地方と同じく左立ちが圧倒的に多い結果となりました。
関西エリア(滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県)は全て右立ちなのでしょうか。
同じ方の調査によると、右側に立つ人が一番多かった県は大阪府ではなく奈良県の75%で、二番目に多かった県は兵庫県の70.7%、ついで大阪府の67.7%だったそうです。和歌山県はどちらかというと右立ちで滋賀県はほぼ左立ちだったようなので、右立ちなのは奈良県、兵庫県、大阪府、和歌山県という結果が多数の調査から分かりました。京都府については、前の人が基準になることが多いようで、前にいる人が右側に立っていたら右、左側に立っていたら左、といったように右、左の決まりはそれほどないようです。
【記者の声】
今回はエスカレーターの立ち位置について調べてみました。
旅行や出張先でエスカレーターの立ち位置をちょこっと意識するだけでも移動が楽しくなるかもしれませんね。
※参考文献
https://j-town.net/tokyo/research/results/194102.html?p=all
https://matome.naver.jp/odai/2137499252771797501
https://www.nikkei.com/article/DGXLASIH02H08_T01C14A2AA1P00/