日本で夏を過ごすなら必読!熱中症ガイド
2025-06-29
日本の文化・慣習
年々暑さが深刻化している日本の夏は、日本人のみでなく外国人にとっても厳しい季節です。
湿気が多くムシムシとした日本の夏に対して「母国の夏よりも過ごしにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか?
さらに、日本では暑さが原因で熱中症になってしまう人の数が増えています。
日本で夏を過ごすなら、熱中症を予防して安全に日本の夏を乗り切る方法を知っておくとよいでしょう。
今回は、熱中症の予防対策・熱中症の応急処置について詳しくまとめました。
日本の夏の平均気温・湿度と特徴
気象庁で発表されている東京都の2024年8月の平均気温/湿度は、29度/79%です。
この気温湿度のみを見ると、他国と比較して日本の夏は特段暑さが厳しいとは言い切れません。
しかし、2023年の東京都では日最高気温が30度以上の「真夏日」が90日、35度以上の「猛暑日」22日、最低気温が25度以上の「熱帯夜」が57日も観測されています。
2023年は、真夏日・猛暑日・熱帯夜の日数全てが新記録を更新しました。
さらに、2024年には日最高気温が40度以上(酷暑日)を観測した地点が9地点も存在します。
猛暑日・酷暑日の日数からも日本の夏の暑さが推測できますね。
※参照:Yahoo! JAPANニュース「今年の東京の暑さまとめ 高気圧と低気圧や前線が交互に通過し、今週末からは寒気が南下で短い秋の始まり」
※参照:国土交通省気象庁「2024年夏(6〜8月に40℃以上の日最高気温を観測した地点)」
外国人の方にとって日本の夏は過ごしにくい季節
一般社団法人日本気象協会が実施した調査によると、外国出身者の約8割が「日本の夏は母国より過ごしにくい」と感じています。
さらに、インドネシアやタイなど熱帯地域出身者の約6割も同じ結果です。
日本の夏は気温のみでなく湿度も高いため、ジメジメとした独特の暑さになることがその原因だと言えるでしょう。
※参照:熱中症ゼロへ:「熱ゼロ研究レポート:外国出身者に聞いた「日本の暑さ」に関する調査 第1弾」
厳しい日本の夏で熱中症を防ぐ方法
熱中症は高温多湿な環境に体が適応できず、さまざまな症状が現れる状態を指します。
熱中症の代表的な症状は、以下の通りです。このような状態を放置すると、深刻化する恐れがあるでしょう。
l 顔がほてる
l めまい・立ちくらみ
l 筋肉痛・筋肉のけいれん
l だるさ・吐き気
l 汗が異常に出る・汗が全く出ない
l 体温が高くなる
l 皮膚が赤くなる
熱中症を深刻な問題だと考えない方もいますが、最悪の場合は意識を失い死亡するケースもあることを知っておいてください。
厚生労働省の統計を参考にすると、日本国内では毎年千人前後の人が熱中症で亡くなっています。
暑い時季に日本に行く予定がある方は、熱中症を予防する方法を把握しておくべきです。
熱中症予防対策①水分補給
最も重要な熱中症予防対策は、こまめな水分補給です。喉が渇いていなくても、水を飲むことを習慣化しましょう。
特にスポーツドリンクなど、塩分と糖分を含む飲料は水分の吸収を助けます。スポーツドリンクであれば、汗で失ったナトリウム(塩分)も効率良く補給できます。
ただし、塩分の過剰摂取には注意しましょう。
熱中症予防対策②質が良い睡眠を確保する
睡眠不足は体温の調整機能を乱してしまうことから、熱中症リスクを下げるために質が良い睡眠を確保しなければいけません。
十分な睡眠時間を用意するだけでなく、熱帯夜のせいで睡眠の質が下がる場合には、クーラーのタイマー機能を活用して夜中に目が覚めないようにしましょう。
暑さが厳しい時季は、毎日7〜8時間の睡眠時間を確保できると良いです。
熱中症予防対策③バランスがとれた食事で強い体を作る
熱中症予防のためには、バランスがとれた食事も大切です。
特に日本の夏野菜は、暑い季節に人間の体が必要とする栄養素を豊富に含んでいます。
具体的には、ナトリウム・カリウム・ビタミンB1・ビタミンC・タンパク質などを積極的に摂取してください。
暑さのせいで食欲が減ってしまった方は、野菜と果物のスムージーなどを取り入れるのもおすすめです。
熱中症予防対策④涼しく過ごす工夫を取り入れる
暑さを少しでも和らげるために、屋外では帽子や日傘を活用することをおすすめします。
特に暑い時間は屋外で長時間過ごさず、室内ではクーラーを上手に活用してください。
また、自分がいる場所の温度・湿度を確認して、熱中症の危険性の有無をチェックすると良いでしょう。
特に旅行で夏の日本を訪れると、限られた時間に多くの観光地を巡りたいと考えてしまうものですが、こまめに休憩を挟んで無理をしないようにします。
熱中症になってしまった時の応急処置
熱中症の可能性がある場合には、以下の方法で応急処置をしてください。
ただし、熱中症の疑いがあり意識がない場合は、すぐに救急車を呼んだ上で応急処置をしましょう。
熱中症の応急処置①涼しい場所に移動する
まずは、クーラーが効いた涼しい場所に移動します。
涼しい場所まで簡単に移動できない場合には、風通しが良い日陰に避難してください。
立ちくらみやふらつきの症状が出ている時は、涼しい場所で横になりましょう。
熱中症の応急処置②体を冷やす
衣服を脱いだり保冷剤を使ったりして体を冷やします。首筋・脇・足の付け根を冷やすようにしましょう。
保冷剤がすぐに手に入らない場合は、冷たいペットボトルドリンクなどで代用してください。
熱中症の応急処置③スポーツドリンクなどで水分を補給する
体を冷やす作業と同時に水分を補給します。可能であれば、水分と塩分を同時に摂取可能なスポーツドリンクを飲みましょう。
ただし、嘔吐の症状が出ている場合には、水分が気道に入ってしまう恐れがあるため注意してください。
まとめ
日本の夏は多くの外国の方にとって過ごしにくい季節です。
高温多湿のせいで、ムシムシと茹るような暑さになる日もあることから、熱中症の危険が高まります。
夏の日本を訪れる予定がある方は、熱中症予防対策・熱中症の応急処置の両方の知識を持っておきましょう。
いざという時に適切な対処をすれば、深刻な状態に陥るリスクを下げられます。
熱中症予防を意識して無理をせず、夏の日本で安全に生活・楽しい旅行ができるようにしましょう!