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日本に住むなら知っておきたい“梅雨”のリアル

wagayaジャーナル

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日本に住むなら知っておきたい“梅雨”のリアル

2025-05-31

日本の文化・慣習

 

日本には春夏秋冬の四季の他に梅雨があります。

梅雨は夏の始まりの季節で、梅雨の終わりとともに夏らしい暑さがスタートします。日本の梅雨は1ヶ月程度の期間ですが、ダラダラと長雨が続くケースが多いです。

今回の記事では、日本に暮らしたいと考えている方に向けて、日本の梅雨のリアルを紹介します。梅雨の時期の注意点や楽しみ方も説明するため、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

梅雨についての基礎知識

梅雨は5月末頃〜7月末頃まで続く、雨や曇りが多いシーズンのことを指します。

日本では、北海道と小笠原諸島以外に梅雨が存在します。

梅雨は日本特有のものではなく、韓国・台湾・中国南部にも共通する気象現象です。

 

梅雨のメカニズム

梅雨には「梅雨前線」と呼ばれる前線が日本付近に停滞します。

春から夏に移り変わる季節に、湿気・温度が異なる空気の塊が隣り合い、梅雨前線を作るのです。

梅雨前線は日本付近に留まり厚い雨雲を発生させるため、日本の大半の地域が雨や曇りが長期間続く梅雨の状態になります。

梅雨前線が北上して日本から離れると、本格的な夏が訪れます。

 

梅雨入り・梅雨明けの意味と時期

梅雨のスタートは「梅雨入り」・梅雨の終わりは「梅雨明け」と呼ばれます。

梅雨前線は南から北上してくることから、梅雨入り・梅雨明けの時期は地域によって異なります。

 

気象庁が発表している梅雨入り・梅雨明けの平年データ

地域別 平年の梅雨入り 平年の梅雨明け
沖縄県 5月10日頃 6月21日頃
九州北部(山口県を含む) 6月4日頃 7月19日頃
四国 6月5日頃 7月17日頃
中国(山口県を除く) 6月6日頃 7月19日頃
近畿 6月6日頃 7月19日頃
東海 6月6日頃 7月19日頃
関東甲信 6月7日頃 7月19日頃
北陸 6月11日頃 7月23日頃
東北北部 6月15日頃 7月28日頃

※平年は令和2年までの過去30年の平均(入り・明けを特定できなかった年を除く)

※参照:気象庁「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値)」

 

 

気象庁では毎年、梅雨入り・梅雨明けを発表していますが、天候の変化の見極めは非常に難しく、発表後に内容が見直されるケースもあります。

梅雨入り・梅雨明けの平年データは、あくまで参考として利用しましょう。

 

梅雨の時期に降る雨は年間降水量の多くを占める

梅雨の時期に降る雨の量は非常に多く、特に西日本・東日本では年間降水量の4分の1〜5分の1もの雨量を占めます。

雨が続くと憂鬱な気持ちになってしまう方もいると思いますが、梅雨の時期の雨が飲料水・農業用水として確保され、私たちの生活を支えているのです。

梅雨の降水量が少ない年は、夏に水不足の問題が深刻化する可能性があるでしょう。

日本では梅雨以外にも雨が降る

雨のシーズン以外に雨が降ることが稀な国・地域もありますが、日本では梅雨時期以外にもよく雨が降ります。

また、梅雨ほど長期間ではないものの、一定期間雨が降り続く時期が存在します。

初夏の梅雨以外の雨の季節の例は、以下を参考にしてください。

  • 菜種梅雨(なたねづゆ):3月後半〜4月後半
  • 秋雨(あきさめ)または薄梅雨(すすきつゆ):9月〜10月初旬
  • 山茶花梅雨(さざんかづゆ):11月下旬〜12月上旬

 

 

梅雨に関係する日本の言葉

この章では、梅雨時期に耳にする機会が増える日本語と意味を紹介します。

 

  • 空梅雨(からつゆ):梅雨時期に雨が降らないこと
  • 長梅雨(ながつゆ):梅雨が例年よりも長い状態
  • 梅雨寒(つゆざむ):梅雨の時期に寒くなること
  • 梅雨晴れ(つゆばれ):梅雨の間の一時的な晴天のこと
  • じめじめ:湿気が多い状態を表現する言葉
  • しとしと:静かに雨が降り続けている状態を表現する擬音語

 

梅雨の時期に注意するべきこと

日本で初めての梅雨を経験する方は、次のような点に注意してください。

 

災害リスクが高くなることを知っておく

梅雨の時期には長雨や集中豪雨の影響で、水に関する災害が起こりやすくなります。

特に河川が近いエリアに暮らす予定の方は、避難場所・避難経路を確認したり避難情報に注意するようにしましょう。

また、いざという時のために、非常用道具を用意しておくことも大切です。

 

カビ対策・食中毒対策をする

梅雨の時期は暖かく湿度が高いことから、カビ・細菌が繁殖しやすくなります。

食材を適切に管理して細菌の繁殖を予防するようにしましょう。

また、カビを防ぐためには除湿機を活用したり、結露をこまめに拭き取ったりする対策が効果的です。

 

梅雨の時期の洗濯には工夫が必要

梅雨の時期には洗濯を外に干すことが難しくなるため、なかなか洗濯物が乾かない・生乾きの臭いが気になるなどの悩みを抱える方が多いです。

防菌・防カビ・消臭性能を持つ洗剤を使用し、生乾きの臭いが気にならないように工夫するのがおすすめです。

また、乾燥機付きの洗濯機を購入したり、コインランドリーなどのサービスを活用するのも良いでしょう。

 

気候変動により梅雨も変化している

気候変動の影響は日本の梅雨にも表れています。日本では、年々梅雨の期間中の集中豪雨が増加しているのです。

本来の梅雨にはなかったような局所的な降水量の増加があると、排水が追いつかずに洪水や土砂災害などの災害リスクが高まってしまいます。

また、地球温暖化の影響を受けて、梅雨前線の平均的な位置が北上するという説も存在します。

今後、日本人でも体験したことがないような梅雨が来る可能性があるのです。

 

 

梅雨の時期ならではの楽しみ

梅雨の時期は外出しにくく、楽しみが少ないと感じる方もいるでしょう。

しかし、日本の梅雨にはこの時期だけ美しく咲き誇る紫陽花という花があります。

雨に濡れた紫陽花は美しく、多くの日本人にとって梅雨の時期の情緒を味わえる特別な花として親しまれています。

また、日本の寺院や公園は雨によりしっとりとした独特の趣を見せます。

雨だからと外出を控えるだけでなく、雨の日にしか感じられない雰囲気を楽しんでみてください。

 

 

まとめ

梅雨がない国に暮らしている方は日本の梅雨に慣れず、体調を崩してしまったり憂鬱な気分が続いてしまったりすることがあります。

しかし、梅雨は日本人にとって「恵みの雨」の季節であり、植物が育つ・生活飲料水を手に入れるために欠かせない存在です。

必要な対策を施しながら、梅雨の時期の日本も楽しく快適に過ごしましょう!

 

 

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