日本における地震の備え~準備しておくべき10のポイント~
2021-12-20
日本の文化・慣習
地震大国の日本では、いつ巨大地震が起きてもおかしくないと言われています。
地震そのものを防ぐことはできませんが、地震が来た時に備えておくことで、被害を最小限にとどめることができます。
そこで今回は地震が起きた時でも落ち着いて行動できるよう、事前にしておくべき自身の備えを「身の安全の備え」「初期対応の備え」「行動の備え」の大きく3つに分類し、具体的な行動を10個ご紹介します。
身の安全の備え
地震が起きた時に身の安全を守るためには日々の備えが重要です。
ここでは「家具類の転倒・落下・移動防止対策」「けがの防止対策」「家屋や塀の強度の確認」の3つを解説します。
1. 家具類の転倒・落下・移動防止対策
家具が転倒したり、落下すると大きなけがをしてしまう以外に、避難経路がふさがれてしまうことで逃げ遅れてしまうことが考えられます。
二次災害に巻き込まれないよう、日頃から安全な空間を確保することが重要です。
配置を決めたら、テレビやパソコン、家具など倒れやすいものを固定し、転倒・落下・移動しないよう防止措置をおこないます。
■家具配置のポイント
・避難に支障がないか、十分な避難空間が確保できているかを確認します
■転倒・落下・移動防止のポイント
・転倒防止金具などで固定し、家具などが倒れにくい状態にします
・二段重ねの家具類は、上下が離れないよう平型金具などで固定します。
・柱や壁に固定する場合、L型金具とモクネジで家具の上部を固定します。
・サイドボード、食器戸棚、窓などのガラスの飛散を防ぎます。
・ガラスには、ガラス飛散防止フィルムを貼ります。
・食器棚などに収納されているビン類等のガラス製品が転倒したり、すべり出さないようにします。
・特に食器のすべり出しが起こりやすい吊り戸棚などの開き扉は、掛金などを利用し、扉が開かないようます。
・本棚やタンスは、重い物を下の方に収納し、重心を低くします。また、高いところに物を戴せて置かないようにします
2. けがの防止対策
ガラスが飛散して避難経路をふさがないよう、食器棚や窓ガラスなどのガラスには、飛散防止フィルムなどで事前に措置しておきましょう。
散乱物でけがをしないよう、スリッパやスニーカーなどを身近に準備しておきます。
また、停電に備えて懐中電灯をすぐに使える場所に置いておきましょう。
3. 家屋や塀の強度の確認
家屋や塀の倒壊の心配がないか事前に確認しておきましょう。
家屋は耐震診断を受けることで強度を確認することができるため、必要な補強をしておきましょう。
また、ブロック塀やコンクリート塀が倒れないないか確認し、補強しておきましょう。塀の倒壊により避難している方の怪我や避難経路をふさぐなどの二次被害に広がります。
初期対応の備え
地震が起きた時、火災による二次被害を防ぎ安全なところへ避難する初期対応が重要です。ここでは初期対応をすみやかにおこなえるよう、「消化の備え」「火災発生の早期発見と防止対策」「非常用品の備え」の3つの備えを解説します。
4. 消火の備え
地震により火災に備えて消火器の場所を確認し、ない場合は準備をしておきましょう。
また、お風呂の水は溜めておくようにします。ただし、子どもがいる場合、溺れないよう浴室には子どもだけで入れないようにしておきます。
5. 火災発生の早期発見と防止対策
住宅用火災警報器を設置し、火災が早期発見できるよう備えておきましょう。
普段使用しない電気器具のコンセントは、差込みプラグから抜いておきます。
感震ブレーカー(分電盤型)などの防災機器を設置し、電気に起因する火災の発生を抑制します。
6. 非常用品の備え
非常用品は、置く場所を決めておきます。非常食は消費期限などもあるため、定期的に確認しましょう。また、冬は防寒などが必要となるため季節を考慮した用品を備えます。
車載ジャッキやカーラジオなど、身の周りにあるものの活用も考えておきましょう。非常用品の増加による避難の遅れを防ぐことができます。
スマートフォンの予備バッテリーなど、必要な電源を確保しておきましょう。予備バッテリーはPSE マーク付の製品が安心です。
■非常持出品
両手が使えるリュックサックなどに、避難の時必要なものをまとめておきます。
※飲料水・食料品・衣類・履物・貴重品・携帯ラジオ・懐中電灯・救急セット・筆記用具・雨具(防寒)・ティッシュペーパーマッチやライターなど生活に欠かせない用品です。
■非常備蓄品
地震後の生活を支えるもの、一人3日分程度(食料品等)
■停電に備えて:懐中電灯・ローソク(倒れにくいもの)
■ガス停止に備えて:簡易ガスコンロ・固形燃料
■断水に備えて:飲料水(ポリ容器など)
※1人1日3L目安
■火災に備えて:消火器・三角消火バケツ・風呂の水の汲み置きなど。
■避難・救出に備えて:ハンマー・スコップ・大バール・防水シート・斧やのこぎりなど
行動の備え
地震が起きた時でも落ち着いて行動できるよう、「家族での話し合い」「地域の危険性の把握」「防災知識を身につける」「防災行動力を高める」の4つの備えを解説します。
7. 家族での話し合い
地震が発生した時に備えて家族の話し合いをしておきましょう。具体的には以下のようなポイントがあります。
・出火防止や初期消火など、家族の役割分担
・外出中に家族が帰宅困難になった場合や、離れ離れになった場合の安否確認の方法や集合場所
・避難場所や避難経路の確認
8. 地域の危険性の把握
自治体の防災マップ等を活用し、住んでいる地域の地域危険度を確認しておきましょう。
自宅や職場、学校周辺を歩くことで災害時の危険箇所や役立つ施設を把握することができます。
また、台風や津波などの風水害が同時期に発生した場合も想定し、避難経路を確認し、自分用の防災マップを作りましょう。
災害時には近隣の方との協力も必要になることがあります。普段のつき合いを大切にし、隣り近所との協力体制を話し合うことも重要です。
9. 防災知識を身につける
日ごろから新聞・テレビ、インターネットなどから、防災に関する情報を収集し、知識を身につけましょう。
大きな地震の後に再び同程度の地震が発生することもあります。消防署などが実施する講演会や座談会で、過去の地震の教訓を学んでおくこともおすすめです。
10. 防災行動力を高める
また、日ごろから防災訓練に参加しておくことで、身体防護・避難要領、出火防止や初期消火、救出・応急救護、通報連絡、などを身につけることができます。
もしもの時の情報収集
過去の地震では通信インフラが多大な被害を受けSNSが情報伝達の手段として広く活用されました。ここでは、災害時に役立つ政府公式のツイッターアカウントをご紹介します。
まとめ
この記事では、地震への10の備えを紹介しました。
地震が起きた時でも落ち着いて行動し、被害を最小限にするためには日ごろからの備えが重要です。
この機会にぜひ備えてみてはいかがでしょうか。