埼玉県の平均年収は?年代別・業種別、全国平均との比較もまとめてご紹介!
2021-08-20
日本の文化・慣習
埼玉県の平均給与について
埼玉県の2017年度の県内総生産は名目で23.4兆円、2018年度の人口は733.0万人でした。埼玉県は高度成長期から東京のベッドタウンとして機能してきましたので、鉄道の沿線に人口が集中しており、全国的に見て人口の多い県です。埼玉県では卸売・小売業、サービス業が盛んで、埼玉に本社がある卸売・小売業では衣料品のしまむらなどが有名です。第二次産業である製造業も盛んであり、カルソニックカンセイ株式会社、現マレリ株式会社などが埼玉県の代表的な企業として挙げられます。
・埼玉県と全国の平均年収について
以下の表は埼玉県全体の年収データになります。全体の平均年収は478.5万円、年間賞与は79.8万円と80万円を切っており、平均年収は低いです。
2019年度埼玉県年収 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 478.5 | 532.4 | 376.5 |
月収(万円) | 33.2 | 36.7 | 26.6 |
賞与(万円) | 79.8 | 92.0 | 56.8 |
平均年齢(歳) | 43.3 | 43.9 | 42 |
労働人口(万人) | 99.3 | 65.0 | 34.3 |
比較のために以下に全国の平均年収を載せます。全国平均は500.7万円ですので、埼玉県の478.5万円は全国平均以下となりますので、埼玉県は年収の低い県と言えます。埼玉県の女性の平均年収も376.5万円と全国平均である388.0万円を下回っています。
埼玉県の労働人口を見てみますと99.3万人と100万人以下と少ないことが分かります。埼玉県と同レベルの人口(753.7万人)を持つ愛知県の労働人口は194.5万人ですので、埼玉県の労働人口は愛知県の半分程度ということになります。つまり、埼玉県に住んでいる労働者の多くは賃金のよい東京都で働いている状況が浮かび上がってきます。このことが埼玉県は賃金の高い東京都に近いけど平均年収が低い仕組みであると推測されます。
2019年度全国平均 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 500.7 | 561.0 | 388.0 |
月収(万円) | 33.8 | 37.5 | 26.9 |
賞与(万円) | 95.1 | 111.1 | 65.2 |
平均年齢(歳) | 43.1 | 43.8 | 41.8 |
労働人口(万人) | 2218 | 1445 | 773 |
埼玉県の男女別の平均年収について
以下のグラフに埼玉県の過去15年間の平均年収の推移を男性及び女性について示します。
・15年間の平均年収の推移とは
男性の年収の推移を見てみますと、2008年のリーマンショック後に下落が始まり、2015年ごろに回復が見られています。15年間の年収は520万円前後で推移しておりほとんど変化していません。
一方の女性はと言うと、リーマンショックでわずかに下落が見られていますが、その後にすぐに盛り返して以降は少しずつ上昇しています。2005年と2019年を比較しても年収の増加が見られていますので、男性に比べて女性の方が年収の伸びが大きいということになります。しかし、女性の2005年の平均年収は337万円であり、男性の平均年収の63%ほどであり、女性の年収の低さが目立っています。一方で、2019年の女性の平均年収は377万円であり男性の平均年収との比率は71%まで上昇していますので、男女間の年収格差は改善しつつあります。
埼玉県の世代別平均年収について
2019年度の埼玉県の世代別の平均年収をグラフにすると以下の通りになります。以降でそれぞれの年代について解説いたします。
埼玉県の20代平均年収
・20代前半の男女格差は非常に小さい
20代前半の平均年収は男女合わせて319万円となっています。男性と女性の年収の差が非常に小さく、女性の平均年収は男性の95%と男女間の年収格差が小さくなっています。20代後半になると平均年収は398万円まで上昇しており、400万円の大台まであと一歩のところまで来ています。年収は20代前半からほぼ直線的に伸びており着実に年収の増加が見られています。しかし、男女間の年収の差が徐々に開きつつあることも20代後半の特徴として挙げられます。
埼玉県の30代平均年収
・30代で年収はどれだけ伸びる?
30代前半では平均年収は442万円にまで上昇しており、結婚して家庭を持っても生活していける年収であると言えます。30代後半では492万円に上昇し、次第に生活に余裕が出てくると推測されます。男性の平均年収は30代でもほぼ直線的な伸びを示しており、年齢を重ねるごとに年収が上がって行く様子が見て取れます。一方の女性は30代前半になると急激に失速しており、20代後半から年収はほとんど伸びていません。30代後半になってもこの傾向は続き、男性の年収の73%まで落ち込んでしまっています。30代の女性の年収が伸びない理由は結婚や出産など人生のライフステージによりキャリアが中断されることなどが挙げられます。
埼玉県の40代平均年収
・男性の平均年収の伸びは低下するがそれでも伸び続ける
40代になると、男性の平均年収にようやく失速の気配が見えてきます。それまで直線的な伸びが40代前半から40代後半にかけてなだらかな曲線になっていますが、40代後半になると平均年収は600万をわずかに超えて605万円になっています。女性の平均年収は30代からあまり変化がなく、フラットな形状となっています。平均年収も40代後半で399万円と400万円の大台には届いていません。男女間の差も拡大しており、40代後半では男性の年収の66%にまで落ち込んでいますので、女性の収入の厳しい現実が垣間見えてきます。
埼玉県の50代平均年収
・最高年収に到達するのは何歳くらい?
50代では男女ともに最高年収に到達します。最高年収ですが男性は50代前半で647万円、女性は50代後半で401万円となっています。50代以降は定年退職が始まりますので、男性は60代にかけて年収は急激に減少していきますが、一方の女性は非常に緩やかに減少しています。
埼玉県の新卒初任給について
・埼玉県の初任給は全国平均の水準
埼玉県の初任給を以下のグラフの通り学歴ごとにまとめました。
高校卒と高専・短大卒の初任給は全国平均をわずかに上回っていますが、大学卒と大学院の修士修了の初任給は全国平均をわずかに下回っていますので、全体的に見て全国平均程度の初任給であると言えます。埼玉県は東京都に隣接していて経済的な影響を受けていますので、年収や初任給は高くなる傾向があるかと推測されますが、実際は年収も初任給も全国平均水中であり特別に高いということはありません。
埼玉県の産業別の平均年収について
・意外に年収が高い業種とは?
以下の表に2019年度の埼玉県の産業別の平均年収について示します。
全体的に見て極端に平均年収の高い業界及び低い業界はありません。最も順位の高い業種は6位の卸売業,小売業及び複合サービス事業、サービス業となっています。卸売業,小売業の平均年収は458.1万円と全国平均以下ですので、卸売業,小売業は賃金のよい業種とは言えません。一方で最も順位が低い業種は電気・ガス・熱供給・水道業の33位ですが、平均年収は571.3万円であり非常に高くなっていますので、電気・ガス・熱供給・水道業が賃金の良い業種であることが分かります。
逆に最も年収が高かったのが学術研究,専門・技術サービス業の584.7万円と埼玉県の平均年収を100万円以上上回っています。つまり、埼玉県で高収入を得ようとすると学術研究,専門・技術サービス業や電気・ガス・熱供給・水道業、教育,学習支援業などの関連会社に就職することが大切になります。
・意外に年収が低い業種とは?
この業種の中で最も年収の低いのは宿泊業,飲食サービス業の337.0万円で、埼玉県の平均年収である478.5万円を大きく下回っていることが分かります。一方で、全国的に見ると順位は10位ですので、それでも埼玉県の宿泊業,飲食サービス業は恵まれているとも言えます。他にも運輸業,郵便業、生活関連サービス業,娯楽業、サービス業が年収300万円台と厳しい平均年収となっています。
業種 | 平均年収(万円) | 順位 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 484.9 | 9 |
建設業 | 508.3 | 11 |
製造業 | 446.7 | 18 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 571.3 | 33 |
情報通信業 | 512.0 | 18 |
運輸業,郵便業 | 369.0 | 21 |
卸売業,小売業 | 458.1 | 6 |
金融業,保険業 | 521.5 | 21 |
不動産業,物品賃貸業 | 430.3 | 10 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 584.7 | 10 |
宿泊業,飲食サービス業 | 337.0 | 10 |
生活関連サービス業,娯楽業 | 362.7 | 10 |
教育,学習支援業 | 561.3 | 12 |
医療,福祉 | 433.9 | 8 |
複合サービス事業 | 485.6 | 6 |
サービス業(他に分類されないもの) | 368.0 | 6 |
まとめ
埼玉県は人口が多く一部は首都圏に含まれますので平均年収は高いかと思われがちですが、実態は全国的に見ても低い県になります。これは、埼玉県に住居を持ち、東京都に通勤している人が多くいることが挙げられます。