日本で法人を設立するためには?手続きや注意点を解説します!
2025-02-06
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外国人でも一定の条件をクリアすれば、日本で法人を設立できます。
しかし、必要なビザ・書類・条件が設定されており、日本人が法人を設立するケースよりもハードルが高いと言えるでしょう。
この記事では、外国人が日本で法人を設立する際に必要な手続きや注意点を分かりやすくまとめました。
日本でビジネスを始めたいと考えている外国人の方は、ぜひ参考にしてみてください。
外国人が日本で法人を設立できる在留資格の種類
外国人が日本で法人を設立して経営者として活動するためには、特定の在留資格(ビザ)が必要です。
留学ビザや短期滞在ビザでは、経営者として報酬を得ながら活動できないため注意しましょう。ことを知っておいてください。
会社経営が認められる在留資格は大きく分類して「居住資格」・「活動資格」の2種類に分けられます。
居住資格
居住資格を取得している外国人は、日本での活動制限がありません。日本人と同じように日本で就労できるのです。
居住資格の種類には、次のようなものがあります。
・日本人の配偶者など:日本人の配偶者・特別養子・日本人の子どもとして出生したもの
・定住者:法務大臣が特別な理由を考慮して一定の在留期間居住を認めるもの
・永住者:法務大臣が永住を認めるもの
・永住者の配偶者:上記永住者の配偶者
参考:入出国在留管理庁「在留資格一覧表」
経営・管理ビサ
経営・管理ビザは、文字通り日本でビジネスをするために必要な在留資格です。
経営・管理ビザがあれば、居住資格がなくても日本で法人を設立して報酬をもらいながら働けるようになります。
経営・管理ビザの取得要件は、以下を参考にしてください。
【常勤職員2名以上または資本金500万円以上】
法人設立時から2名の常勤職員を雇うことは負担が重いため、多くの場合は500万円の資本金が選択されます。
資本金は調達の経緯を審査されることから、形式上用意したものでは認められません。
海外から送金した場合は、お金が適正に移動した証明書が求められます。
【実体を持つオフィスを確保】
経営・管理ビザ取得のためには、実体を持つオフィスが必要です。
賃貸物件の場合は法人名義・事業用途で事務所を用意します。共有スペースのみのレンタルオフィスやバーチャルオフィスは認められません。
事務所には、パソコン・電話・コピー機などの業務上欠かせない備品を揃える必要があります。
【事業の安定性・継続性があり、経営管理者本人の経営能力があると判断できる】
事業計画書を提出し、事業の安定性・継続性と経営管理者の能力を明らかにします。
事業計画書は法人設立時に欠かせない重要な書類です。
事業の収支を明確化するだけでなく、説得力がある計画を立てるようにしてください。
外国人が日本で法人を設立するための手続き
外国人が日本で法人を設立する際には、以下の流れで手続きを進めてください。
1.基本的事項を決定する
法人の商号・資本金・発起人・事業目的などの基本的な事項を決めていきます。
2.会社実印を作る
設立登記には会社の実印が必要です。一般的には、代表取締役印・銀行印・角印の3種類を用意します。
3.定款の作成と認証
会社のルール・規則である定款を作り、公証役場で認証を受けます。
4.資本金を銀行口座に振り込む
定款認証完了後に、資本金を発起人の個人口座に振り込みます。
5.法務局で設立登記
法務局で設立登記をします。このステップで、法律上は法人設立が完了したことになります。
6.必要な届出を済ます
設立登記完了後は、税務署・労働基準監督署・年金事務所・都道府県税事務所などに必要な書類を届け出ます。
7.経営・管理ビザを申請する(未取得の場合)
経営・管理ビザの取得申請をします。
法人設立を目的とした準備は、ステップ7まで経営・管理ビザや居住資格を持っていない状態でも進められます。
しかし、法人設立後に報酬を得るためには、居住資格または経営・管理ビザが必要です。
外国人が日本で法人を作る時に必要な書類
この章では、外国人が日本で法人を設立するために必要な書類を一覧にしました。
・登記申請書
会社の基本事項をまとめたもので、法務局に提出する
必ず日本語で作成する必要がある
・登録免許納付用台紙
登記手続きの際の免許税納付に必要な書類
・定款
会社の規則やルールを定めたもの
・資本金払込証明書
資本金の払込を証明する書類
・発起人
取締役の印鑑証明書
実印が本人のものであることを証明する書類
・印鑑証明がない場合はサイン証明書を用意する
・就任承諾書
会社の役員に就任するものが就任について合意・承諾する書類
・印鑑届出書
会社の代表取締印を法務局に届けるための書類
合同会社と株式会社では必要な書類が変わる
設立する法人が合同会社・株式会社かによって、法人設立に必要な書類が異なります。
合同会社は出資者が会社の経営者になるため、出資者全員が会社の決定権を持つのです。
このような理由から合同会社の法人設立時には、出資者全員の「資本金払込証明書」「印鑑証明書」「就任承諾書」を用意する必要があります。
外国人が日本で法人を設立する時に知っておくべき注意点
外国人が日本で法人を設立する際には、次の注意点を把握しおきましょう。
資本金払込口座は日本の銀行法で定められている銀行のみ
法人設立時に資本金を振り込む個人の銀行口座は、日本の銀行の口座・日本の銀行の海外支店の口座・外国の銀行の国内支店の口座のどれかでなければいけません。
日本では在留カードを持っていない外国人が銀行口座を作れないため、法人設立時に適切な口座がない外国人は、日本人の協力者を探す必要があります。
発起人が海外にいる場合は届出が必要
発起人が全員日本国内にいない状態でも、日本の法人を設立することは可能です。
その場合は、外国為替及び外国貿易法に則り、日本の財務大臣などに届出を日本銀行経由で提出する必要があります。
手続きが複雑化するだけでなくスケジュールも組みにくくなることから、専門家に相談しながら話を進めることをおすすめします。
まとめ
外国人が日本で法人を設立するためには、いくつかの条件があります。
しかし、条件や手続きを理解すれば、スムーズに日本でビジネスをスタートできるでしょう。
手続きが難しい・時間をかける余裕がないと感じる方は、司法書士や行政書士などの専門家に相談してみてください。