外国人が日本の就労先を探す方法 -正社員編-
2024-03-20
日本の文化・慣習
日本は世界有数の経済大国であり、その独特な文化と充実した社会インフラ、抜群の治安の良さなどから、多くの外国人の方々にとって人気の移住国となっています。
では外国人の方が日本の企業に就労にするには、どのようにすれば良いのでしょうか。
日本で長期間、安定的に働くためには、日本企業に正社員として採用してもらうことがベストな選択と言えます。
そこで本記事では、外国人の方々が「正社員」として日本企業へ就労することにフォーカスし、就労先をどうやって探せば良いか、代表的な方法や流れを解説します。
日本企業で正社員として働きたいと考えている外国人の方々は、ぜひ参考にしてください。
■日本企業の探し方・応募方法その1:外国人採用に積極的な日本企業の直接探索と応募
一つ目の方法は地道な努力と時間が必要ですが、インターネットを活用し、自分自身で外国人を募集している日本企業を探し、直接応募することです。
例えば次のような記事を参考にすれば、外国人の採用に積極的な企業候補がわかります。
・外国人採用に積極的な企業ランキング
https://guidablejobs.jp/contents/how-to-recruit/505/
・外国人従業員が多くいる会社ランキング
https://toyokeizai.net/articles/-/239496?page=4
こうした情報を参考に日本企業のホームページへアクセスし定期的に監視していれば、常時ではなくタイミング次第ではあるものの、外国人向けの求人情報を発見できる場合があります。
もし当該企業が外国人の求人を行っていたら、求人への応募要件や方法、提出を求めている書類などが説明されているはずなので、まずはその内容をよく読んでください。
自身が応募要件に合致しているとわかったら、履歴書など必要書類を送信します。
書類を送信したらその書類をもとに一次的な審査が行われ、それに合格したらオンライン面接など次の審査行程へと進みます。
それら全ての審査にパスしたら、晴れて採用となる訳です。
ただし、外国人を積極的に雇用している企業は多くの外国人の方々が求人をウオッチしていますので、競合が激しい状況にあります。
一社あたりの求人数も少数に限られている場合が多く、正社員採用は狭き門です。
自分自身のキャリアアップと共に、粘り強く継続的に求職活動へ取り組むことが成功の鍵と言えます。
・就労ビザ取得は企業側がサポート
ここで、採用された場合の就労ビザ取得について簡単に説明しておきます。
外国人の採用実績がある日本企業であれば、どのような就労ビザが必要かは企業側が心得ています。
そのため、採用となった場合には企業側がビザ取得に向けたサポートや手続きを行ってくれるのが一般的です。
必要書類の用意や提出など、皆さん自身が直接行なわなければならない手続きも勿論ありますが、それも含め、企業側の指示に従って準備を行えば日本で働けるビザを取得できると考えて概ね構いません。
ただし、初めての外国人採用である場合など、ビザ取得のサポートが可能かどうかは、念のため応募や面接の時点で確認しておいたほうが良いでしょう。
■日本企業の探し方・応募方法その2:採用エージェントの利用
もし皆さんが住んでいる国に、日本企業と提携している国際的な採用エージェントがある場合は、エージェントを利用するのも有効な方法です。
採用エージェントは単に日本の求人情報を紹介してくれるだけでなく、皆さんの経歴をもとに企業とのマッチングを行ってくれたり、面接のアドバイスなどもしてくれたりします。
皆さんにとって心強い存在と言えるでしょう。
ただし、エージェントを通じて紹介された日本企業だからといって、必ず採用してくれるとは限りません。
やはり面接など企業側が求める審査を受け、それに合格する必要があります。
また、採用エージェントを通じて紹介される求人要件はかなりハイレベルなものが多く、それに見合った職務経験や能力、実績などが求められます。
そのため、マッチングしない場合にはなかなか紹介を得られないこともあるのは理解しておいた方が良いでしょう。
なお、具体的な利用方法や手順は採用エージェントによって異なりますので、詳しくは各採用エージェントのホームページで確認してください。
■日本企業の探し方・応募方法その3:特定技能ビザの取得
対象となる業種が限定されますが、特定技能ビザ(2号)を取得して日本側の受入れ機関に登録することで、受入れ機関から日本企業を斡旋してもらう方法もあります。
2024年1月現在、対象となっている業種は介護、建設業、農業、航空業、造船、自動車整備など全12業種・14分野で、該当しない業種への就労はできません。
(出入国在留管理庁の関連ページ)
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri01_00132.html
また、特定技能ビザ取得には日本語能力試験と、応募する業種毎に行われる実務能力試験の両方に合格することが求められます。
こう聞くと、ビザ取得は大変難しく感じられるかも知れません。
しかし、特定技能ビザは例えば該当業種の職務経験が浅くとも試験に合格すれば取得できるビザ、即ち努力次第で取得できる可能性が高いビザと言えるのです。
しかも受入れ機関が就職先を斡旋してくれますので、就労できる確実性もかなり高まります。
さらに、特定技能ビザ取得後、日本で一定期間働くなど所定の要件を満たせば、永住権獲得の道も開けますので、業種にこだわらなければ、オススメできる方法です。
■書類選考や面接でのポイント
正社員として採用されるには、書類選考や面接審査を突破する必要がありますので、そのポイントをご紹介しておきます。
・書類選考でのポイント
日本企業に提出が求められる主な書類は「履歴書」と「職務経歴書」ですが、特に重視されるのが職務経歴書です。
応募者がどのような職務経験を持ち、どんな実績をあげてきたか、どのような業務知識やスキルを身に付けているかなど、職務経歴書を通じて詳細に審査されます。
ポイントとしては自身が取組んできた職内容や実績を一つ一つ簡潔に、且つわかりやすく、また漏れなく書くことです。
わかりにくかったり、あいまいだったりすれば企業側の心象が悪くなってしまいます。
これまで取組んできた仕事内容をよく振り返り、何度も読み直しを行って職務経歴書の品質を高める最大限の努力をしましょう。
もう1つ、企業によっては応募者の日本語能力がどのレベルにあるかを、選考の基準の一つとしている場合があります。特に、状況に応じて日本語での対応が必要とされる業務を行う企業では、日本語能力試験(JLPT)でN2以上を採用基準としていることも多いです。
もちろん、これだけで合否が決まるわけではありませんが、N2以上を取得していれば選択肢は増えると考えて良いでしょう。
・面接でのポイント
面接ではなぜ応募したかの動機や、その企業で働くことを真剣に考えているか、熱意の有無などがチェックされます。
また、すべて日本語での面談を求められる場合もあります。
従って応募する企業の歴史や理念、商品などについて調べておくことと、日本語での応答練習を行ってくおくことをオススメします。
また、企業によっては面接を複数回行うことも少なくありません。1次面接、2次、3次と面接の回数によって、採用までの期間が異なる点も注意しておくべきでしょう。
面接の結果、合格し採用が確定すれば、後は日本企業側の指示に従ってビザを取得し、日本で働くための準備となります。
どのような方法であれ、正社員として採用してもらうには乗り越えなければならないハードルがそれぞれあります。
狭き門だけに自身を磨くこと、努力することが大切です。
本記事を参考にし、日本企業の正社員の座をぜひ勝ち取ってください。