千葉県の平均年収は?年代別・業種別、全国平均との比較もまとめてご紹介!
2021-07-10
日本の文化・慣習
千葉県の平均給与について
千葉県における2017年度の県内総生産は名目で21.1兆円、2018年度の人口は625.5万人でした。千葉県には小売のイオン株式会社、株式会社マツモトキヨシホールディングス、東京ディズニーランドで有名な株式会社オリエンタルランドなど大手企業の本社があります。経済の中心地である東京都に隣接しており、埼玉県と共に古くから東京のベッドタウンとして機能してきました。東京都に隣接する浦安市沿岸部から千葉市、そして富津市に至るまで京葉工業地域を形成しており、化学製品や金属、機械などを始めとしてエネルギーに至るまで様々な製品を全国に供給しています。日本の玄関と言われている成田空港も千葉県の成田市にあり、重要な機能を持っている県であると言えます。一方で、内陸部や外房方面は工業ではなく農業が盛んであり、都心部に様々な農作物を供給している日本でも有数の農業が盛んな県の側面も持っています。さらに、巨大な漁港である銚子港もあり、漁業も盛んにおこなわれていることから、第二次産業のみではなく、第一次産業も盛んな県、それが千葉県です。
・千葉県と全国の平均年収について
以下の表は千葉県全体の年収についての表です。全体の平均年収は478.4万円、男性の年収は533.3万円、女性は384.2万円となっています。平均賞与は男性が90.9万円と100万円を切っています。女性は53.8万円とこちらも非常に低い金額となっています。全国的に見ると千葉県の年収は13位でそれほど低い順位ではないのですが、人口が多く収入も多い東京都や大阪府、愛知県などが平均を大きく押し上げているために千葉県の年収は順位の割には低くなっています。
2019年度千葉県年収 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 478.4 | 533.3 | 384.2 |
月収(万円) | 33.4 | 36.9 | 27.5 |
賞与(万円) | 77.2 | 90.9 | 53.8 |
平均年齢(歳) | 43.3 | 43.9 | 42.1 |
労働人口(万人) | 82.8 | 52.3 | 30.5 |
比較のために以下に全国平均年収を載せておきます。全国平均は500.7万円ですので、千葉県の平均年収は全国平均よりも低いことになります。賞与も男性の全国平均は111.1万円と100万円を超えていますが、千葉県では90.9万円ですので全国平均よりも低い結果となっています。一方で、女性の年収は384.2万円と全国平均の388.0万円とほぼ全国平均となっており、千葉県においては男女の給料格差は全国に比べて小さいと言えます。
千葉県は東京都に隣接していて経済活動が活発に行われていますので年収が高くても良いはずですが、年収が低い理由は千葉県在住の多くの労働者はより賃金のよい東京都へ通勤して働いているためです。千葉県の労働人口を見てみますと、82.8万人と千葉県の人口の13.2%しかいませんので、多くの労働者が主に東京都に通勤していることが伺えます。
2019年度全国平均 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 500.7 | 561.0 | 388.0 |
月収(万円) | 33.8 | 37.5 | 26.9 |
賞与(万円) | 95.1 | 111.1 | 65.2 |
平均年齢(歳) | 43.1 | 43.8 | 41.8 |
労働人口(万人) | 2218 | 1445 | 773 |
千葉県の男女別の平均年収について
以下のグラフに千葉県の過去15年間の平均年収の推移を男性及び女性について示します。
・15年間の平均年収の推移とは
千葉県の年収推移は全国的な年収推移に比べて非常に特徴的な動きを示しています。それは全体の平均年収が減少しているという点です。2005年の全体の年収は513.5万円でしたが、2019年には478.4万円と6.8%も低下しています。
2008年にリーマンショックが起こり、全国的に年収は下がりました。しかし、ほとんどの都道府県では回復を見せており、2005年に比べて2019年度の年収は高くなっています。千葉県に関しては落ち込んでいますが、これは男性の平均年収が下がっていることに起因しています。一方の女性の年収は2005年で367.3万円でしたが、2019年には384.2万円になっていますので、女性の年収は男性とは対照的に伸びています。
千葉県の世代別平均年収について
2019年度の千葉県の世代別の平均年収をグラフにすると以下の通りになります。以降でそれぞれの年代について解説いたします。
千葉県の20代平均年収
・20代前半の年収は順調に伸びている
20代は男性、女性共に年収は直線的な伸びを示しています。男女間の年収には若干の開きが見られますが、その差はほとんど拡大していません。20代後半になれば男性の年収は400万円を超えています。
千葉県の30代平均年収
・30代では男女間の年収格差が拡大している
30代前半から後半にかけて男性の年収は若干の失速は見られますが、それでもほぼ直線的に伸びています。一方の女性は完全に失速しており、30代前半でやっと400万円に到達したとおもえば、30代後半で一度下降を見せています。この時の年収は400万円を切っており、以降の年代では400万円強で頭打ちになっています。
千葉県の40代平均年収
・年収の伸びは低下するが男性の年収はそれでも伸び続ける
40代の年収は男女ともに30代で顕著になったトレンドに従っています。つまり、男性は失速しつつも伸びていますが、一方の女性は頭打ちになっています。40代後半になると男性の年収は600万円を超えており、安定した収入が得られています。女性の場合は40代前半で最高年収に到達しています。
千葉県の50代平均年収
・最高年収に到達するのは何歳くらい?
50代になると男性は50代前半で最高年収に到達し、以降は減少していきます。男性の最高年収は642.6万円でした。一方の女性は50代後半から低下が見られています。男女間の年収は50代後半で最高になり、その差は273.8万円でしたが、60代に入ると男女間の年収の差は急速に縮まり、70歳以上では21.8万円となっています。
千葉県の新卒初任給について
・全体的に見て女性の方が平均年収は高い
千葉県の初任給を以下のグラフの通り学歴ごとにまとめました。高卒と高専・短大卒に関しては全国平均を大きく上回っています。大学卒では全国平均との差は2千円と全国平均と大きな開きはありません。しかし、修士修了になると全国平均よりも低くなっています。女性の初任給は高校卒と大学卒で男性よりも高く、高専・短大卒と修士修了に関しては男性と同じになっていますので、全体的に見ると女性の方が男性よりも初任給は高いと言えます。
千葉県の産業別の平均年収について
・意外に年収が高い業種とは?
以下の表に2019年度の千葉県の産業別の平均年収について示します。平均年収が600万円を超えた業種は電気・ガス・熱供給・水道業のみで、607.7万円でした。都道府県の順位では18位ですので、電気・ガス・熱供給・水道業は全国的に見て年収の良い業界であると言えます。その次には学術研究,専門・技術サービス業の590.6万円が続きます。年収500万円台はその他にも鉱業,採石業,砂利採取業、建設業、金融業,保険業、教育,学習支援業があり、これらが千葉県で年収の高い業種であると言えます。
・意外に年収が低い業種とは?
最も年収が低い業種は宿泊業,飲食サービス業であり、平均年収は344.7万円でした。都道府県の順位は9位ですので、全国的に見ると平均年収は高い水準ですが、宿泊業,飲食サービス業自体が年収の低い業種であることが分かります。この他にも運輸業,郵便業、生活関連サービス業,娯楽業、サービス業が年収300万円台であり、これらが千葉県で年収の低い業種と言えます。一点目を惹く業種が情報通信業であり、都道府県順位は39位と他の業種と比べて非常に低くなっており、年収も459.4万円と千葉県の平均年収である478.4万円を下回っています。情報通信業はIT関連も含まれており、比較的年収が高い業種です。情報通信業の年収1位は神奈川県で636.9万円となっており、3位は東京都で607.5万円です。つまり、情報通信業の年収が高い東京都や神奈川県の近くにある千葉県の情報通信業の年収も高くなるかと言えばそうではなく、低くなっています。
業種 | 平均年収(万円) | 順位 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 578.0 | 2 |
建設業 | 502.9 | 12 |
製造業 | 465.5 | 11 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 607.7 | 18 |
情報通信業 | 459.4 | 39 |
運輸業,郵便業 | 389.9 | 11 |
卸売業,小売業 | 434.7 | 11 |
金融業,保険業 | 542.1 | 10 |
不動産業,物品賃貸業 | 448.8 | 8 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 590.6 | 8 |
宿泊業,飲食サービス業 | 344.7 | 9 |
生活関連サービス業,娯楽業 | 362.0 | 12 |
教育,学習支援業 | 584.5 | 10 |
医療,福祉 | 435.1 | 7 |
複合サービス事業 | 427.3 | 27 |
サービス業(他に分類されないもの) | 368.3 | 5 |
まとめ
千葉県は東京都に隣接している県ですので平均年収が高そうですが、実際はそれほど高くありません。これは千葉県が東京都のベッドタウンとして機能している一端を示しています。つまり、千葉県在住の多くはより賃金のよい東京都で働いているのです。