大阪府の平均年収は?年代別・業種別、全国平均との比較もまとめてご紹介!
2021-06-20
日本の文化・慣習
大阪府の平均給与について
大阪府の2018年度の名目の府内総生産は40.2兆円、人口は881.3万人でした。大阪は古くは天下の台所と呼ばれており、日本中の生産物が集積する都市で商人の街として栄えてきました。大阪は京都と共に上方と呼ばれており、経済のみではなく文化の中心もあり中世代の日本の中核をなしていました。大正から昭和初期にかけて大阪市は大大阪と呼ばれており、人口は東京市よりも多く世界有数の都市でもありました。その面影はまだ残っており、パナソニックや武田薬品工業、旭化成など大阪には大企業の本社が数多く存在しており商業が盛んにおこなわれています。一方で近年までは大阪府は東京都に続いて第二位の人口を誇っていたのですが、2018年には神奈川県に抜かれ、現在は第三位になっていて次第に元気がなくなってきている印象を受けます。今回はこの大阪府の平均年収について解説いたします。
・大阪府と全国の平均年収について
以下の表は大阪府全体の年収データになります。男女全体の平均年収は541.4万円となっており、賞与は106.8万円と100万円の大台をこえています。男性は608.6万円と600万円を超え、女性は419.5万円と400万円を超えていますので、全国的に見ても大阪府の年収は高いと言えます。
2019年度大阪府年収 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 541.4 | 608.6 | 419.5 |
月収(万円) | 36.2 | 40.2 | 28.9 |
賞与(万円) | 106.8 | 125.7 | 72.4 |
平均年齢(歳) | 42.9 | 44 | 40.8 |
労働人口(万人) | 148.2 | 95.6 | 52.5 |
比較のために以下に全国平均年収を載せておきます。全国平均は500.7万円ですので、大阪府の年収は全国よりも40万円以上高くなっています。しかし、全国的に見ると1位から東京都、神奈川県、愛知県に続いて大阪府の平均年収は第4位となっていますので、人口のみならず年収も神奈川県の方が多いことになります。
2019年度全国平均 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 500.7 | 561.0 | 388.0 |
月収(万円) | 33.8 | 37.5 | 26.9 |
賞与(万円) | 95.1 | 111.1 | 65.2 |
平均年齢(歳) | 43.1 | 43.8 | 41.8 |
労働人口(万人) | 2218 | 1445 | 773 |
大阪府の男女別の平均年収について
以下のグラフに大阪府の過去15年間の平均年収の推移を男性及び女性について示します。
・15年間の平均年収の推移とは
2008年はリーマンショックが起こりましたので、全国的に2009年の年収の落ち込みが見られていますが、翌年には回復傾向が見られています。しかし、大阪府においては2008年からの年収の落ち込みは2010年まで続いており、かなり深刻なダメージがあったことを伺わせます。2005年の全体の平均年収は529.3万円でしたが、2010年には489.2万円にまで下がっています。その差額は約40万円と非常に大きく、2010年以降は次第に回復し上昇傾向に転じていますが、この落ち込みが尾を引いており2019年には541.4万円と2005年に比べてわずかに増加した程度になっています。女性の年収の推移を見てみますと、リーマンショックの影響はあまり見られず、徐々に増加していることが分かります。2005年には367.5万円でしたが、2019年には419.5万円と大きく伸びていることが分かります。
大阪府の世代別平均年収について
大阪府の世代別の年収の推移を以下のグラフに示すと共に、それぞれの年代での年収について解説いたします。
大阪府の20代平均年収
・20代前半の年収は高いそれとも低い?
大阪府の20代の年収は男女ともに伸びていますが、男性の年収は直線的に伸びていることに対して女性の年収は20代後半から30代前半にかけて失速している様子が見られます。男女の年収の差も20代前半では20.0万円でしたが、20代後半になると68.0万円とその差は大きく開いていることがわかります。
大阪府の30代平均年収
・30代で年収はどれだけ伸びる?
30代になっても男性の年収は直線的に上昇を続けており、30代後半では599.2万円と600万円間近まで上昇しています。一方で女性の年収には停滞が見られており、30代後半以降の年収はほとんど伸びておらず厳しい状況が見られます。
大阪府の40代平均年収
・年収の伸びは低下するがそれでも伸び続ける
40代になると男性の年収の上昇に陰りが見え始めてきており、40代前半から後半にかけての年収は652.9万円から691.8万円と40万円程の上昇となっています。一方の女性は40代前半から後半にかけて若干の上昇は見られていますが、ほぼ同じと言っても差し支えない程度の上昇です。つまり、30代から始まった男女の年収の分岐は40代になっても続いていることが分かります。
大阪府の50代平均年収
・最高年収に到達するのは何歳くらい?
男性も女性も50代前半で最高年収に到達しています。男性の最高年収は775.5万円、女性は474.1万円でした。この年代以降は男女ともに年収は減少していきますが、男性の年収は急激に減少していくことに対して女性は緩やかに減少しています。
大阪府の新卒初任給について
・大阪府の初任給は全国平均程度
大阪府の初任給を以下のグラフの通り学歴ごとにまとめました。
高校卒と高専・短大卒に関しては全国平均よりも高い初任給でしたが、大学卒及び修士修了に関しては全国平均程度の初任給でした。男女間の初任給の違いを見てみますと。高専・短大卒は女性の方が初任給は高いですが、その他の学歴においては全て男性の方が初任給は高いという結果でした。
大阪府の産業別の平均年収について
・意外に年収が高い業種とは?
以下の表に2019年度の大阪府の産業別の平均年収について示します。全体的に見て都道府県の順位はほぼ一桁台ですので、このことからも大阪府の年収が高いことが見て取れます。大阪府において平均年収が高い業種を見てみますと、電気・ガス・熱供給・水道業、学術研究,専門・技術サービス業、教育,学習支援業が600万円を超えており、平均年収が高い業種であると言えます。電気・ガス・熱供給・水道業が625.6万円と最も平均年収が高く、大阪府では特に高収入が得られる業種であると言えます。また、都道府県中で2位の業種が多いことも大阪府の特徴として挙げられます。1位の業種の多くが東京都ですが、東京都に続いて年収が高くなっており、建設業、運輸業,郵便業、卸売業,小売業、金融業,保険業、不動産業,物品賃貸業、複合サービス事業が年収2位となっています。このことから、大阪府が関西地方の経済及び流通の中心として機能していることを伺い知ることができます。
・意外に年収が低い業種とは?
大阪府で年収が低い業種は鉱業,採石業,砂利採取業、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業、サービス業が挙げられ、どの業種も平均年収は300万円台となっています。特に鉱業,採石業,砂利採取業の年収は360.3万円と低く、全国的な順位も32位と非常に低くなっており、大阪府では鉱業,採石業,砂利採取業は盛んではないことが分かります。ちなみに鉱業,採石業,砂利採取業の1位は東京都で平均年収は865.2万円と非常に高くなっていますので、平均年収の高い大阪府にあっては異色の業種であると言えます。
業種 | 平均年収(万円) | 順位 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 360.3 | 32 |
建設業 | 576.0 | 2 |
製造業 | 512.8 | 3 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 625.6 | 9 |
情報通信業 | 556.0 | 7 |
運輸業,郵便業 | 461.8 | 2 |
卸売業,小売業 | 531.7 | 2 |
金融業,保険業 | 583.1 | 2 |
不動産業,物品賃貸業 | 509.8 | 2 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 613.1 | 5 |
宿泊業,飲食サービス業 | 364.1 | 4 |
生活関連サービス業,娯楽業 | 376.8 | 7 |
教育,学習支援業 | 615.2 | 7 |
医療,福祉 | 443.0 | 3 |
複合サービス事業 | 554.3 | 2 |
サービス業(他に分類されないもの) | 383.0 | 3 |
まとめ
大阪府は西日本で最大の経済規模を誇っており、関西地方の中心として機能しています。それは高い平均年収からも伺い知ることができ、活発な経済活動が行われています。一方で、全国的に見ると人口や平均年収も段々と落ち込んできていることが分かり、元気がなくなりつつあります。
出典:令和元年 賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省