外国人に人気のUR賃貸とは、どんな物件?
2021-05-10
日本の文化・慣習
『URであ~る』このキャッチーなフレーズ、最近テレビCMや様々な広告で見たり聞いたりすることが多くなっているのではないでしょうか。
UR賃貸とは、都市再生機構(UR都市機構)という独立行政法人が管理をしている、『公的な賃貸住宅』です。これに対して、いわゆる街の不動産屋で一般的に紹介される物件は『民間の賃貸住宅』と言われます。
最近では外国人にも人気が出てきており、UR物件指定でお探しになる方もいらっしゃるほどです。UR賃貸には、民間賃貸と異なる点が多く、いくつかの特徴があります。何故外国人に人気なのか、民間賃貸と比較しながらURの特徴とともに説明していきます。
■初期費用が安く、更新料もかからない
何と言ってもUR賃貸の大きな魅力がこれです。民間賃貸と比べて初期費用が断然安いです。
民間賃貸の場合、賃貸物件契約時の初期費用として以下の費用が必要となります。
・敷金(家賃の1〜2ヶ月分)
・礼金(家賃の1〜2ヶ月分)
・仲介手数料(家賃の1ヶ月分+税)
・前家賃
・火災保険料
・鍵交換費用
・保証会社費用
など、月額賃料の約5~6か月分の初期費用がかかります。
加えて、契約更新時には更新料(家賃の1ヶ月分が相場)がかかります。この『更新料』と『礼金』は世界的に見て、日本にしかないシステムで、外国人からすると、『一体これは何の費用なの?』と疑問を持たれることも多い費用です。
UR賃貸の場合は、
礼金ゼロ
仲介手数料ゼロ
保証人を立てる必要がなく、保証会社費用も無し
鍵交換費用も借主は負担なし
火災保険は任意加入
必要な初期費用は家賃2か月分の敷金と前家賃のみとなるので、月額賃料の約3か月分で済むということになります。
更にUR賃貸は更新料がかかりません。長く住み続けることが決まっている場合には、非常にありがたいシステムと言えます。
■条件があるものの、外国人入居に寛容
URの物件はほぼ全て外国人入居可能です。
ただし、UR賃貸に申し込むためには、5つの条件を満たしている必要があります。
1.申込者本人の平均月収額が基準月収額以上ある方
2.日本国籍の方、またはURが定める資格を持つ外国籍の方で、継続して自ら居住するための住宅を必要とする方
3.単身者もしくは現に同居し、または同居しようとする親族のある方
4.申込者本人を含めた同居世帯全員が、URが定める入居開始可能日から1か月以内に入居でき、物件内で円満な共同生活を営むことができる方
5.申込者本人を含めた同居世帯全員が暴力団員などではない方
(URホームページより引用)
★上記1.の基準月収額
家賃が62,500円未満の場合⇒家賃額の4倍
(例)家賃額5万円の住戸の基準月収額は家賃額の4倍の20万円
62,500円以上 20万円未満⇒25万円(固定額)
20万円以上⇒40万円(固定額)
★上記2の『URが定める資格を持つ外国籍の方』とは、都市機構賃貸住宅賃貸借契約の内容を十分に理解できる方で、次のいずれかに該当する方
1.在留資格が永住者、外交、公用の方
2.特別永住者の方
3.中長期在留者の方
一見、条件が多くて厳しそうという印象を持たれるかもしれません。が、よくよく見ていくと、概ね民間賃貸の入居審査と比べても、そこまで厳しいというわけではありません。
民間住宅でも審査時に、月額賃料が収入の3分の1に収まっているかどうか、
在留資格が中長期のものであるか、
などはチェックされます。
むしろ、審査基準が明確になっているので、フェアであるとも言えます。
■築年数古めの物件や、駅から遠い物件も多い
もちろん最新設備の物件もありますが、古い団地も多いです。
室内がフルリノベーションされている物件もあるので、これはお部屋探しの段階でしっかり確認しておきたいポイントです。
団地物件は2LDKなど、広めのファミリータイプのお部屋が多いので、お子様がいるご家族も住みやすい間取りではあります。ただ、5階建てでエレベーターが無いなんていうこともあります。重い荷物やベビーカーを持って階段で5階まで上がるのは、体力がいることなので、こういったポイントは物件を決める前に検討しておくべきと言えます。
そして、古めの物件の場合、光回線が導入されていない物件も少なくありません。自宅でのテレワーク、オンラインゲームなど、インターネット環境が重要な方は要注意ポイントです。
駅からの距離が遠い物件も多く、駅までバスを利用するという方も多くいらっしゃいます。勤め先や学校まで電車を利用する方の場合は、トータルの通勤時間を事前に把握しておくべきでしょう。
■おわりに
いかがでしたでょうか。この記事では、UR賃貸の『メリット・デメリット』というよりは、UR賃貸の『特徴』という視点でご紹介しました。
東京都には多くのUR賃貸物件が所在しますが、空室は中々出ません。
つまり、この記事に書いてあるような特徴が、自分にとってデメリットにならないという方はたくさんいて、『UR賃貸には長く住む傾向がある』ということ。そして、『募集が出てもすぐに埋まってしまう』ぐらい人気もあります。
UR賃貸物件と民間賃貸物件の違い、それぞれの良さを理解し、どちらに住むかを検討してみてはいかがでしょうか。