神奈川県の平均年収は?年代別・業種別、全国平均との比較もまとめてご紹介!
2021-04-20
日本の文化・慣習
神奈川県の平均給与について
2017年度の神奈川県の県内総生産は名目で35.6兆円あり、2018年度の人口は917.7万人と非常に人口の多い県です。神奈川県は東京都と京浜工業地帯を形成しており、東京都から海岸線沿いに川崎市、横浜市にかけて工業が盛んになっています。経済活動の中心地である東京都の影響を強く受けており、川崎市や横浜市などの政令指定都市は日本を代表する大都市であり、神奈川県の経済活動をけん引しています。また、横浜港など大きな港もあることから古くから貿易が盛んであり、横浜市は国際色豊かな街となっています。この東京都と同一の経済圏を形成しているという地の利を活かして高い生産性を発揮しているのが神奈川県です。
・神奈川県と全国の平均年収について
以下の表は神奈川県全体の年収データになります。
全体の平均年収は560.2万円と全国的に見て非常に年収水準であると言えます。男性の平均年収は615.0万円と600万円を超えており、全国的に見ると600万円を超えている都道府県は東京都や愛知県など一部の都県のみとなっていますので、神奈川県の年収は非常に高い部類に入ります。全体平均の賞与も100万円を超えていますので、収入的には大変恵まれていると言えます。
2019年度神奈川県年収 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 560.2 | 615.0 | 434.0 |
月収(万円) | 37.7 | 40.9 | 30.1 |
賞与(万円) | 108.4 | 123.9 | 72.7 |
平均年齢(歳) | 43.4 | 44.2 | 41.6 |
労働人口(万人) | 113.8 | 79.3 | 34.4 |
比較のために以下に全国平均年収を載せておきます。全国平均は500.7万円ですので、神奈川県の年収は全国平均よりも60万円程度高く、この点からも神奈川県の年収が恵まれていることが確認できます。
一方で神奈川県の労働人口が少ない点に着目してみますと、神奈川県の労働人口は人口比で12.4%程度と全国の17.7%を大きく下回っています。このことから神奈川県に居住しつつ、東京都で働いている人が多いことが推測されます。東京都の人口に対する労働人口比は26.6%と高くなっていますので、このことからも他県に住みつつ東京都で働く人が多いことが分かります。
東京都は日本で一番平均年収が高い都道府県ですので、年収のよい東京で働きつつ、神奈川県で生活している人が多いです。このため、神奈川県の生活水準は神奈川県の平均年収から推測される水準よりも高いことが予想されます。
2019年度全国平均 | 全体 | 男性 | 女性 |
年収(万円) | 500.7 | 561.0 | 388.0 |
月収(万円) | 33.8 | 37.5 | 26.9 |
賞与(万円) | 95.1 | 111.1 | 65.2 |
平均年齢(歳) | 43.1 | 43.8 | 41.8 |
労働人口(万人) | 2218 | 1445 | 773 |
神奈川県の男女別の平均年収について
以下のグラフに2005年から2019年にかけて神奈川県の過去15年間の平均年収の推移を男性及び女性について示します。
・15年間の平均年収の推移
グラフを見てみますと、最も目立つ部分は2008年から2009年にかけての年収の落ち込みです。この時期にはリーマンショックが起こっていますので、神奈川県の年収はリーマンショックの影響を強く受けて大きく落ち込んでいます。この傾向は男性の方に強く見られており、一方の女性の年収はわずかに落ち込んだ程度です。その後の男性の年収は2013年まで低迷しており、2014年にようやく回復しています。2014年以降はほぼ変化なしとなっています。15年を通してみると、全体の年収は2005年で543.8万円、2019年で560.2万円と15年前とほぼ変化していません。女性の年収は少々傾向が異なっており、2005年の381.9万円から2019年の434.0万円と13.7%も年収が伸びていますので、一年間に約1%ずつ伸びたことになります。
男女間の年収格差を解消するという観点から将来的にも女性の給料は伸び続け男性との格差が解消する方向に進むと思われます。
神奈川県の世代別平均年収について
神奈川県の年代ごとの年収を以下のグラフにまとめました。以下でそれぞれの年代について解説いたします。
神奈川県の20代平均年収
・20代前半の年収は高いそれとも低い?
神奈川県の20代の年収は全国に見て高く、20代後半で400万円を超えています。20代後半の女性の年収もほぼ400万円とこちらも高く、女性の全国平均である372.7万円を20代の内に軽く超えていますが、一方で男性との年収の差は次第に大きくなりつつあります。
神奈川県の30代平均年収
・30代で男女間の年収差のターニングポイントが訪れる
30代前半に男女の年収のターニングポイントが見られます。男性だとこの年齢以降も年収は伸びていきますが、女性は失速が見られており20代後半から30代前半にかけて男女間の年収の差が大きくなっています。この男女間の年収の差は30代後半になるとはっきりしており、この年代の男女間の年収差は156万円になっています。
神奈川県の40代平均年収
・男性の年収には特異な動きが見られている
30代後半から40代前半にかけて男性の年収には疲れが見え始め、失速が見られています。このまま50代にかけて徐々に年収の伸びが低下していくかと言うとそうではなく、40代後半には失速せずに再び年収が伸びています。これは実は女性にも見られている現象で、40代後半の女性の年収も40代前半と50代前半よりもわずかに低くなっています。他の都道府県では20代から50代前半までほぼ直線的な伸びをしているですが、神奈川県に限っては特異な現象となっています。45歳前後は氷河期世代ですので、この影響が見られている可能性も考えられます。
神奈川県の50代平均年収
・最高年収に到達するのは何歳くらい?
最高年収に到達するタイミングは男性と女性で少々異なっており、男性は50代後半で最高年収に到達しており、その年収は762.9万円と750万円を超えていました。一方の女性は50代前半で最高年収に到達し、485.8万円と、500万円まであと一歩という結果でした。
神奈川県の新卒初任給について
・神奈川県の新卒の初任給は全国平均よりもやや高い程度
神奈川県の初任給を以下のグラフの通り学歴ごとにまとめました。高校卒の初任給は全国平均よりも1万円程度高く、神奈川県の高校卒の初任給は非常に高いと言えます。高専・短大卒は女性の方が男性よりも高くなっています。大学卒及び修士修了の初任給は全国平均よりも若干高い程度でほぼ同じ水準となっています。
神奈川県の産業別の平均年収について
・意外に年収が高い業種とは?
以下の表に2019年度の神奈川県の産業別の平均年収について示します。どの業種も全国的に見て高い順位となっており、情報通信業は東京都を抜いて全国一位となっています。その平均年収は636.9万円で業種間でも高い年収水準となっています。最も平均年収の高かった業種が学術研究,専門・技術サービス業の692.3万円で平均年収が700万近くと非常に高くなっています。他にも教育,学習支援業も638.5万円と600万円を超えており、神奈川県内ではこれらの業種の年収が良いということになります。
・意外に年収が低い業種とは?
年収の高い神奈川県ですが、それでも平均的に低い業種もあり宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業、サービス業に関しては平均年収が300万円台と非常に厳しい業種だと言えます。これらのどの業種も全国的に見て順位が高く、宿泊業,飲食サービス業は全国2位となっていますが、それでも400万円には到達していません。宿泊業,飲食サービス業などは全国的に見ても厳しい年収の実態が見られます。
業種 | 平均年収(万円) | 順位 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 492.9 | 8 |
建設業 | 570.5 | 3 |
製造業 | 551.3 | 2 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 582.7 | 27 |
情報通信業 | 636.9 | 1 |
運輸業,郵便業 | 414.8 | 5 |
卸売業,小売業 | 499.7 | 4 |
金融業,保険業 | 578.0 | 3 |
不動産業,物品賃貸業 | 499.3 | 3 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 692.3 | 2 |
宿泊業,飲食サービス業 | 377.1 | 2 |
生活関連サービス業,娯楽業 | 379.7 | 6 |
教育,学習支援業 | 638.5 | 4 |
医療,福祉 | 441.7 | 4 |
複合サービス事業 | 527.1 | 3 |
サービス業(他に分類されないもの) | 391.9 | 2 |
まとめ
平均年収が最も高い都道府県は東京都ですが、2位がこの神奈川県です。また、人口も増加傾向が見られており、大阪府を抜いて全国2位となっています。収入と人口どちらも全国2位の県が神奈川県です。