建物造によって騒音に差が生まれることを知っていますか?
2018-11-28
日本の住まい
今回は、音の問題について皆様に情報をお届け致します。
【建物構造によって騒音に差が生まれる?】
皆様が街で見かける建物は、それぞれ構造が異なっています。
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造・・・といろいろございますが、音が響きにくい建物はこの構造によって変わってくるのです。
【建物の音にはどんなものがある?】
音には2種類あり、固定音と空気音があります。固定音とは、物質に伝わる音。
物件に関して言えば、物件の構造内部を通る音のことを言います。
空気に触れた瞬間に空気音となって響き渡るもので、床や壁に直置きしたスピーカー・エレベーターなどの機械振動がこちらに該当します。一方、空気音は空気を伝わる音。
隣の部屋からの音楽・話し声などが該当。高音よりも低音の方が防ぎにくいという特徴がありますが、固定音と比べると、比較的防ぎやすいのが特徴です。
【木造物件の音の特徴を見ていきましょう】
まずは木造です。
木造は通気性がよく、湿気があるときは吸ってくれて、湿気がないときは水分を放出するというような性質を持っており、日本の風土に適していると言えるのではないでしょうか。
ただ、音というのは質量が小さいものほど遮音性が低く、音が響きやすいのです。
特に木材は鉄筋コンクリート造などと比べ、質量が小さいため、音が響きやすいのが、デメリットといえます。
室内を歩いていても、足音が気になったり、ちょっとして物を落としてしまったりしたときも、音が響きやすいのが木造物件の音の特徴です。
そもそも木造は壁が薄いので、隣の方の話し声や笑い声が聞こえてくることも多々あります。
私も大学生の時は、木造の二階建てに住んでおりましたが、足音を立てないように階下の方に気をつかったり、寝ているときなどに隣の人の笑い声が聞こえてきたりが多くありました。
今となってはいい思い出です。
【鉄骨物件の音の特徴を見ていきましょう】
鉄骨の厚さによって呼び方が変わります。厚さが6ミリ未満の「軽量鉄骨造」からご紹介します。
こちらは鉄骨ですので、木造と比べると鉄や鋼の方が質量が高いので、音も響きにくいです。
ただ、軽量鉄骨造は注意が必要です。
壁を叩いてみて、コンコンと高い音がしましたら、中が空洞である場合があります。
壁に石膏ボードを両側から貼り、その中に遮音性を高めるための材料を入れるのですが、ここの手順を予算の都合上省いています。
いわゆる事故物件でない限り、明らかに家賃が安かったら、注意する事が得策といえます。
もう一つが、重量鉄骨造です。
鉄骨造の厚さが6mm以上のものをこのように言います。
軽量鉄骨造よりも遮音性が高いですが、それはなぜでしょうか。
正解は鉄骨の厚さが太いので、それを覆う壁も自然と厚くなるからです。
また、質量が高いのもあり、遮音性が高くなりもします。続いて、一般的なマンションではおなじみの「鉄筋コンクリート造」です。こちらは鉄筋を組み立てたところに、コンクリートを流し込んで作られるタイプです。
今まで木造・鉄骨造と見てきましたが、それと比べると遮音性が段違いに違います。
ただ、ここにも注意が必要です。多くの方が鉄筋コンクリート造で作られているわけですから、壁もコンクリートで作られていると思いがちです。
私もこの業界に入る前はそう思っていたのですが、実は違います。鉄筋コンクリート造でも壁がコンクリートではないのがあります!
実際に壁をたたいてみて、高い音がしたら注意です。皆様も内見の際に壁も叩いてみましょう。高い音がしたら、壁が薄いなどの可能性があります。
音がしやすいのは、木造>軽量鉄骨造>重量鉄骨造>鉄筋コンクリート造です。
まったく音がしないというお部屋は、ほぼほぼございません。
たとえ鉄筋コンクリート造でも通常とは異なる使い方をするともちろん音が響きます。
ですので、どのような構造のお部屋でも、周囲に住んでいる方々に思いやりをもって生活していきたいものですね。ただ、音が響きにくい構造はありますので、お部屋探しのご参考にしていただれければと思います。
【ライターの見解】
お部屋探しのご依頼の中には騒音問題にシビアになっているお客様がおり、比較的多くいらっしゃる印象を受けます。
建物構造の中で、どこまで我慢ができるか。という妥協ポイントになりますが、賃料・間取り・駅からの距離などの条件に加えて音の問題も重なってくるとさすがに大手ポータルサイトの物件情報だけでは不安がつきものではないでしょうか。
そんな時の為に、不動産賃貸仲介店舗があるわけです。