不動産賃貸オーナー必見!不動産所得に事業税がかかる基準
2019-08-16
日本の住まい
不動産の賃貸をするとその儲け部分に税金がかかるということは想像がつくと思います。
不動産所得はその他所得と合算し、所得税と住民税が掛かります。
そのほかにもかかる税金がありまして、それは「事業税」です。
固定資産税などもかかりますが、それは不動産自体にかかる税金で経費の部分になります。
今回は事業税も含め賃貸経営に関わるその他税金についてのお話をしていきたいと思います。
事業税について
この「事業税」ですが、これは一定金額以上の事業所得や不動産所得に対して課税される税金となります。
例えば個人が製造業、卸小売業、サービス業など営み、その部分から収入を得た儲けが一定の金額を超えると事業税がかかってしまいます。
不動産でいうと、ある一定基準以上の賃貸用不動産を保有していると都道府県から課税をされるケースがあります。ただ、この事業税は納付した金額を必要経費とすることも可能です。
「事業になる」「事業にならない」の基準について
個人が不動産賃貸業から得た収入が事業税の対象となるのは、その不動産の賃貸が事業税で定める「不動産貸付業」などに該当する場合のみになります。
この基準にあたるかどうかの判断は、それぞれ貸し付けている不動産の件数や面積により判断されます。この判断基準は地域ごとによって変わる可能性もございますが、一般的な話をさせて頂くと、
住宅の場合は、「戸建ての場合10棟以上、区分所有の場合10室以上」
住宅以外の場合は、「戸建ての場合5棟以上、区分所有の場合10室以上」
上記の場合で事業とみなされるケースが多いようです。
個人のほうが得なのか、法人のほうが得なのか
上記の個人事業に対する課税の仕組みと、法人の所得に対する課税の仕組みには大きな違いがあります。
つまり同じ不動産・同じ賃料で賃貸をする場合、個人か法人かでかかってくる税金の額に差が出てくるということになります。
個人の所得税と住民税は累進課税になっています。つまり、金額が大きければ大きいほど収める税額は大きくなる可能性があります。
一方、法人には法人税がかかってきます。その法人税の税率は原則として一律です。
個人の所得に対する所得税・住民税の税率は、最初は合わせて約15%から最大約55%程度。
それに対して、法人の所得に対する税金は、事業税などを合わせて最小で約21%、最大で約32%程度になります。
つまり、この個人と法人を比べた時に税率の計算方法の違いから、
「所得の金額が少ない場合は個人事業のまま」
「所得の金額が大きい場合は法人のほうが有利」
ということになります。
おおよその目安で一般的に言われているのが、年額の不動産所得がおおよそ420万円以上になるのであれば、その不動産賃貸業において個人よりも法人で行ったほうが税制上は有利と言えるかもしれません。
【記者の声】
今回は不動産賃貸経営に「事業税」を絡めたお話をさせて頂きました。
まだまだ個別の案件については細かい事例がたくさんあると思いますので、そのあたりは税理士さんへ相談されたほうが良いかと思います。
税金の理解を進め、よりより不動産経営を営まれることを心よりお祈り申し上げます。