冠婚葬祭とはなんぞや!?~『冠』編~
2019-07-16
日本の文化・慣習
日本人なら誰でも知っている『冠婚葬祭』という言葉。
そもそも冠婚葬祭とは、元服・婚礼・葬儀・祖先の祭礼という、日本古来の4つの重要な儀式のことを意味します。
しかし、現在『冠』は人生の通過儀礼、『祭』は行事的な祭事の意味で使用されています。
果たしてこの言葉は日本独自のものなんだろうか?と疑問に思い調べてみたところ、中国や韓国でも同じような言葉が存在しました。ただ、国によって儀式のやり方も違うと思うので、今回は日本の『冠婚葬祭』について、1つ1つ見てきましょう。
『冠』とはなんぞや?
『冠』とは、本来、元服を示します。
元服とは、奈良時代以降に出来た習慣です。成人と示すものとして行われた儀式のことで、11歳~16歳の間に行われていました。
現在の日本では一般的に20歳が成人とされています。20歳で成人を迎えると、飲酒や喫煙が可能となります。また、成人式というものが各自治体で開催され、紋付袴・振袖やスーツを着て成人を祝います。
ただ、現在、『冠』の意味合いも変わってきており、人生の節目で行われる行事全般を示すようになっています。代表的なものでいうと、お宮参り、初節句、七五三、入学、卒業、就職、長寿の祝いなどが含まれます。
お宮参り・初節句
お宮参り…子供の誕生を祝い、7その土地の守り神がいる神社へ参拝する儀式です。生後1ヶ月頃の都合の良い日を選んで神社へ参拝して、健康と長寿を祈ります。お宮参りをする際には赤ちゃんを着物で包む習わしがあり、その着物のことを『祝い着』と言います。
初節句…節句とは季節の変わり目のお祝いのことで、生まれて初めて節句を迎えるときに、家族を囲んで赤ちゃんの成長を祝い、健康を祈る行事です。節句の日にちは男女で違い、女の子は3月3日、男の子は5月5日とされております。また、女の子の節句は雛人形、男の子の節句は兜飾りや五月人形を飾るのが風習となっております。(※地域によって違うところもあります)
七五三・長寿祝い
七五三…縁起の良い数字とされる3歳・5歳・7歳の時に神社へ参拝し、子供の成長と健康を祝う行事です。11月15日が七五三の日とされています。また、祝う年齢は男女で違い、男の子は5歳、女の子は3歳と7歳が一般的となっています(近年では男の子も3歳のときも祝うこともあるそうです)。神社へ参拝する際は、袴や着物を着るのが習わしとなっており、千歳あめを食べるという習わしもあります。
長寿祝い…感謝の気持ちと長生きを願ってお祝いする行事。還暦から始まり、年齢によっていくつかあります。還暦(60歳)、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、米寿(88歳)、卒寿(90歳)、白寿(99歳)、百寿(100歳)、茶寿(108歳)、皇寿(111歳)、大還暦(120歳)など。どれも感謝の気持ちと長生きをして欲しい気持ちを願う行事となります。この中でも還暦が一番有名で、赤い“ちゃんちゃんこ”を着てお祝いをするのですが、赤ちゃんに一度生まれ変わって出直す、という意味があります。
【記者の声】
今回は『冠婚葬祭』の『冠』についてまとめてみました。
この中には日本独自の文化もありますので、興味をもっていただけると嬉しいです。
次回は『婚』についてまとめます!お楽しみに!!