日本の台風シーズンに備えよう!台風が多くなる時期と備える方法
2024-09-27
日本の文化・慣習
日本は毎年必ずといっていいほど台風による被害が発生する国です。
台風の規模によっては、浸水や土砂災害などで不動産にも大きなダメージを受ける恐れがあります。
ただし、時期や地域によっても台風のリスクは異なってきます。
そのため、日本の不動産を所有する・日本に住むという場合は台風について理解し、対策することが重要です。
本記事では、日本の台風シーズンや対策について分かりやすく解説します。
日本で台風が多くなる時期
日本で台風が多くなるのは7~10月です。
とはいえ、実は1年を通して台風はいつ発生してもおかしくないことも覚えておきましょう。
気象庁のデータによると、1991年~2020年の平均では年間約25個の台風が発生しています。
発生数が最も多いのは8月で次いで9月・7月・10月となりますが、それ以外の月でも
0.3~2.2個発生しているのです。
年間を通して発生する台風ですが、やはり発生数・接近数・上陸数共に多くなるのは7~10月にかけてです。
同データによると、年間で発生する25個の台風のうち過半数である13個は7~10月に発生しています。
また、発生した台風の中でも日本に接近した台風は11.7個であり、そのうち7~10月に接近した台風は10.4個と7~10月に集中しているのです。
ただ、発生数自体は8月が多いですが、日本に大きな被害をもたらす台風は9月に発生した台風が多いという特徴もあります。
9月の台風は秋雨前線を活発にしやすく大雨をもたらしやすいことから、被害も大きくなりやすいのです。
実際、過去大きな被害をもたらした室戸台風・伊勢湾台風は9月に発生しています。
台風により想定される被害
台風は、大雨や洪水・暴風・高波・高潮をもたらすだけでなく、それに付随して川の氾濫・がけ崩れ・地すべりなども発生しやすくなり、甚大な被害が想定されるものです。
たとえば、令和4年9月に発生した台風14号は、猛烈な強さで吸収を横断し、九州を中心に西日本で記録的な大雨・暴風をもたらしました。
なかでも、宮崎県は土砂崩れや河川の氾濫による、人的被害・住家被害・ライフラインや交通インフラへの被害が生じているのです。
とくに、近年では台風の接近にともなう線状降水帯の発生により、短時間で非常に激しく雨が降り、浸水などの被害も多発しています。
また、台風による被害は、直接の進路だけでなく離れた場所でも起こる可能性もある点にも注意が必要です。
被害が大きくなりやすいエリア
気象庁による1951年~2023年第17号までの県別の台風上陸数は、以下の通りです。
順位 | 都道府県 | 上陸数 |
1 | 鹿児島県 | 43 |
2 | 高知県 | 26 |
3 | 和歌山県 | 25 |
4 | 静岡県 | 22 |
5 | 長崎県 | 18 |
6 | 宮崎県 | 14 |
7 | 愛知県 | 12 |
8 | 千葉県 | 9 |
9 | 熊本県 | 8 |
10 | 徳島県 | 7 |
参照:気象庁「上陸数」
圧倒的に鹿児島県の上陸数が多いことが分かります。
一般的に、夏場の台風は勢力の強い高気圧と偏西風の影響を受けて、発生後西に進んでから日本付近で北東に進路をかえ、南から円を描くように日本付近を通過します。
そのため、鹿児島県を含む南西海岸沿いにある県が台風の上陸数が多くなるのです。
ただ、上陸していないから被害がないというわけではない点には注意しましょう。
また、よく台風が上陸する県については、台風への慣れから対策が進んでいる、そもそもの住宅の造り自体で台風対策が取れているというケースも少なくありません。
反対に、首都圏など上陸数が少ないエリアほど、いざ台風が接近すると被害が甚大になりやすいので注意が必要です。
たとえば、令和元年10月に発生した台風19号(東日本台風)は、伊豆半島に上陸後関東付近を通過、関東甲信越地方・東北地方の広範囲で河川の氾濫が相次ぎ、浸水・土砂災害が発生し人的被害も出ています。
上陸が多いエリアはもちろん、それ以外のエリアであっても台風に対して備えを怠らないことが重要です。
台風に備える方法
どのエリアであっても台風への備えは欠かせません。
ここでは、台風に備える方法として以下の3つを紹介します。
- ハザードマップの確認
- 火災保険への加入
- 台風前後の対策
ハザードマップの確認
物件選びの際にはハザードマップを確認し、災害リスクの低いエリアの物件を選ぶことが大切です。
ハザードマップとは、自治体が発行する水害や地震など各種災害の種類ごとのリスクを記載している地図のことをいいます。
ハザードマップを調べることで、希望するエリアにどのような災害リスクがあるかを調べられます。
火災保険への加入
台風や大雨による浸水被害などは火災保険で補償を受けることが可能です。
火災保険に加入し、万が一の事態にも補償を受けられるように用意しておきましょう。
保険料は補償内容によって大きく異なります。
「火事に遭うことはそうないだろから」と保険料を低くしていると、台風の被害が保障されない恐れもあるので補償内容をしっかり調べたうえで必要な保険に加入することが大切です。
なお、火災保険では地震による被害は補償されないため、別途地震保険への加入が必要です。
地震保険は火災保険とセットで加入する必要があるため、火災保険への加入時には地震保険の付帯も検討するようにしましょう。
日本は地震大国でもあるため、地震保険まで加入しておくことでよりリスクの軽減が見込めます。
台風前後の対策
台風前の建物への対策としては、以下のようなことが挙げられます。
- 窓ガラスへの養生テープや飛散防止フィルム(飛散防止)
- 側溝などを掃除して水はけをよくする
- 飛散しそうなものは建物内に入れておく
また、台風通過後は建物に異常がないか細かく確認するようにしましょう。
基本的に、台風により建物の一部が飛散して近隣に被害を出した・入居者に被害がでたという場合でも、責任を問われることはありません。
しかし、前から破損していた箇所を放置していたなど、点検やメンテナンス不足による被害は責任が問われる恐れがあります。
建物の状況は、こまめに点検し適切なメンテナンスを施すことが大切です。
まとめ
日本の台風シーズンについて解説しました。
日本は7~10月にかけて台風の発生数・接近数が増えます。とくに太平洋西南海岸沿いのエリアは上陸数も多いので、しっかりと対策しておく必要があります。
ただし、上陸数の多いエリア以外でも台風による被害が甚大になるケースは少なくありません。
いずれのエリアであっても、台風への備えを入念に行っておくことが重要です。