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日本に住むなら事前に知っておきたい花粉症

wagayaジャーナル

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日本に住むなら事前に知っておきたい花粉症

2024-06-10

日本の文化・慣習

 

 

花粉症は、植物の花粉が原因で、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状を起こす病気です。

花粉症の原因でもあるスギが日本には多くあり、日本に来てから花粉症になる外国人の方も少なくありません。

 

この記事では日本の花粉症について、花粉の飛散する時期、海外との花粉症の違いなどについて解説します。

 

 日本の花粉症の症状や特徴

花粉症は、スギやヒノキ、イネなどの植物の花粉が原因でアレルギー症状を起こす病気です。具体的なアレルギー症状としては、以下のよう症状が現れることがあります。

 

・くしゃみ、鼻水、鼻づまり(鼻の三大症状)

・目の症状(かゆみ、涙、充血など)

・のどのかゆみ

・皮膚のかゆみ

・下痢

・熱っぽさ

・果物や生野菜を食べたあとの唇、舌、口の中、のどのかゆみやしびれ、むくみなど(口腔アレルギー症候群)

 

日本には、花粉症を引き起こす植物が約60種類のあると報告されており、主な植物としてスギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバ、オオアワガエリなどがあります。

 

欧米では花粉症のことを枯草熱(hay fever)ということが一般的ですが、これはイギリス人医師Bostock氏が牧草の『枯草』と接触し発病したと考えられたためです。

 

しかし、日本では牧草によって花粉症が引き起こされているというよりも、スギが花粉症の原因の約70%を占め、日本人の約38.8%がスギ花粉症だと言われています。実際、現岸田政権は花粉症を「社会問題」として取り上げています。

 

 花粉症の重症度

花粉症の重症度は、くしゃみが生じる回数や鼻水をかむ回数、鼻づまりは口呼吸の回数で診断されます。症状の分類として、鼻水とくしゃみ症状がある人はまとめて「鼻水・くしゃみ型」、鼻づまりが他の症状より強い場合は「鼻づまり型」、3つの症状が同等程度で強いと「充全型」に分類されます。

鼻症状は呼吸にも影響するため、勉強・仕事・家事などの日常生活に影響を及ぼすことはもちろん、よく眠れない・集中力の低下などにもつながります。

また、目にもかゆみや異物感が生じるなど、花粉飛散量が多くなることに比例して症状が悪化したり別症状を発症させることもあります。

 

花粉症は重症であっても生命に関わることはありません。しかし、まれに花粉症によって引き起こされる口腔アレルギー症候群が、アナフィラキシー反応を生じる場合があるため、医師の正確な診断・治療が必要となります。

 

海外の花粉との違い

世界アレルギー機構のWorld Allergy Week 2016の報告資料では、花粉症の有病率は過去15年の年間平均で0.3%増加しており、世界全体で22.1%です。

 

地域によって生育する植物が異なるため、花粉症を引き起こす原因である植物も異なります。

ヨーロッパではイネ科、アメリカではブタクサ等、南アフリカではイトスギがアレルギーの原因として有名です。

元々花粉症がある外国の方が日本に来てからスギの花粉症もさらに発症してしまう外国人の方が少なくないのは、スギは日本固有種であるためです。

 

花粉が多く飛散する地域

花粉症の約70%はスギ花粉症といわれていますが、これは日本には全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためです。特に、関東や東海地方ではスギが中心です。

関西ではスギと並びヒノキも植林面積が広いため、ヒノキにも注意が必要です。

一方、北海道はスギ・ヒノキが少なくシラカンバ属(カバノキ科)が多いという特徴があります。

 

次章の植物別の花粉飛散する時期も併せて確認しましょう。

 

花粉が多く飛散する時期

日本で花粉症を引き起こす植物の花粉飛散時期を抑えておきましょう。日本ではスギの花粉症の人が多いので春先のイメージがありますが、実は秋花粉もあるので注意が必要です。

 

【春花粉】

・スギ:3月がピークで5月頃まで飛散。

・ヒノキ:スギよりも若干遅く、4月にピーク、6月頃まで飛散。

・シラカンバ:東北・北海道に多く、シラカンバ属の飛散は5・6月がピーク。

・イネ科:本州以西では年間飛散、関東では5・6月がピーク、北海道では6月がピーク。

 

【秋花粉】

・キク科(ブタクサ属・ヨモギ属)・クワ科のカナムグラ:は8~10月に飛散。

 

 

花粉飛散時期の外出時の注意

花粉が飛散する時期には外出時に気を付けることで、花粉症の発症や症状をおさえられることがあります。まだ花粉症にかかっていない外国人の方も意識することをおすすめします。

 

花粉情報

日本では花粉飛散時期になるとテレビ・ラジオのニュース、インターネットで花粉飛散予測が報じられますので外出時にはチェックしておくと良いでしょう。

必要なときや急用以外の外出は控えめにし、外出が必要なときには事前に花粉情報を確認して対策をしましょう。

 

 

花粉が多く飛びやすいとき

・朝と夕方

花粉は朝と夕方に多く飛散する傾向があります。

日の出から時間とともに気温が上昇すると、花粉も目や鼻の高さに浮遊しやすくなり、夕方の気温が下降するにつれて上空の花粉が降りてくるようです。

地形や建造物、地域により差があるため、1日で最も気温が上昇する13~15時ころに飛散量が増えるエリアもあるそうです。

 

・雨上がり

花粉は雨が降ると地面に落ちるため雨の日は飛散量が少なくなります。

しかし、雨が上がると地面の花粉も巻き上げられるため、遠くから飛散する花粉を考慮すると飛散する花粉は倍増すると考えた方が良いそうです。

 

花粉回避の服装

花粉は全身に付着します。付着を防ぐためにも、目や鼻はメガネやマスクで、首はマフラーやスカーフで、頭髪は帽子で花粉の付着を防ぎましょう。花粉が付着しにくいような表面がツルツルした上着がおすすめです。また、最近では花粉の付着を防ぐ柔軟剤も発売されています。

 

帰宅時

家の中に花粉を持ち込まないよう玄関前で花粉を払いましょう。家に入ったらすぐに着替え、外気に露出した顔などを洗い付着した花粉を流しましょう。

 

まとめ

この記事では、日本の花粉症について解説しました。日本で多いスギ花粉は日本の固有種のため海外で別の花粉症になっていた人や今まで発症していない人でも新たに発症する可能性があります。

飛散するエリアや飛散する時期などを確認し、飛散時期には外出する時にもなるべく花粉症の発症や症状をおさえられるように気を付けましょう。

 

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