外国人のお部屋探しに欠かせない【保証会社】とは?
2020-10-14
日本の住まい
日本でお部屋を借りる時、少し前までは連帯保証人が必要でした。今も連帯保証人必須という条件の物件もたくさんあります。
連帯保証人というのは簡単に言うと、入居者がお家賃等の支払を滞納した時に、保証する立場の人です。
しかし昨今では、特に外国人向けの物件を取り扱っている不動産会社の広告で、「連帯保証人不要」という文言をよく見かけるようになりました。これは、入居者さんを100%信用しているので、連帯保証人はいらないですよ…という話ではありません。
長期で借りれる賃貸物件の場合、連帯保証人の代わりに、『保証会社』を使ってください、という物件が東京都内を中心に多くなっています。
インターネット上の物件情報や、物件の間取り図面に「保証会社必須」や「保証会社要」という記載を見ることも多いのではないでしょうか。
そもそも保証会社とは何なのか?
なぜ増えてきたのか?
「連帯保証人不要」の仕組みと併せてご紹介します。
・【保証会社】とは
一言で言うと「連帯保証人様の代わりとなる会社」です。
初期費用や月額費用を支払うことで、保証会社が保証人の代わりをしてくれます。
何故、この保証会社の利用が増えてきているのか。
日本人でも外国人でも、連帯保証人の仕組みに関して、様々な問題が起こっています。
例えば1つの問題点を挙げると、連帯保証人様の高齢化問題です。一般的には、親御さん、または親族の方が連帯保証人になるよう求められることが多いのですが、連帯保証人であるご高齢の親御様に連絡をとったところ、既にお亡くなりになっていた、という事例もあります。つまり、連帯保証人がいない状態になってしまうということです。
外国人の問題点としては、日本で連帯保証人を見つけるのは困難であるということです。連帯保証人は誰でもなれるわけではなく、いくつかの条件を満たしている必要があります。特に来日したばかりの外国人にとって、そういった条件を満たす連帯保証人を見つけるのは非常に困難です。
かと言って、万が一契約者さんが頻繁に家賃滞納したり、無断帰国などしてしまうと、オーナーさんは大きな損害を被ることになります。
そこで出てきたのが「保証会社」というシステムです。
家賃回収を会社にお任せすることで毎月の家賃が安定してオーナーさんに入ってくるため、安心を得ることができます。
「連帯保証人不要」の仕組みとは、連帯保証人の代わりに「保証会社利用可能」ですよ、というものです。
・保証会社を使うメリットとは?
では、入居者さんにとってはどんなメリットがあるのでしょうか。
まず連帯保証人の場合は以下の条件を求められることになります。
65歳以下の方
親族の方
安定した収入のある方
日本人、または日本の永住権を持っている方
更に、契約書への署名・捺印も必要になります。万が一の場合の金銭の保証に加えて、書類のやり取りもお願いすることになるわけです。特に外国人にとって、これはあまりにも困難な条件です。
対して、「保証会社」を利用する場合に求められるのは緊急連絡先のみです。緊急連絡先とは、文字通り何かあった際の緊急の連絡先です。連帯保証人とは異なり、家賃支払い義務が発生しないので、債務保証の義務がありません。
※物件によっては保証会社に入った上で連帯保証人様も必要なこともあります。
連帯保証人であれば、勤め先や年収なども開示する必要がありますが、緊急連絡先の場合は下記の情報のみで足ります。
・氏名
・生年月日
・現住所
・電話番号
・契約者との関係性
これなら外国籍の方でもそこまでハードルは高くありませんよね。
外国人専門の保証会社も存在し、多言語対応可能な保証会社も徐々に増えてきています。
・審査と費用について
費用さえ払えば何でもOKというわけではなく、保証会社にも入居審査があります。
保証会社は数多くあるのですが、審査基準は様々です。
クレジットカードの対応などの履歴を基準とする会社や
過去の家賃滞納の履歴を基準とする会社などです。
①契約者さんが、契約する物件の家賃に対して、支払いに問題がないか
※目安は月収が賃料の3分の1以下。
②パスポートのコピー、在留資格の種類・期限、在留カード、勤務先の在籍証明など、必要書類がしっかり提出されているか
これらを基準に審査が行われます。
費用も様々なのですが、一般的な費用は以下の通りです。
初期費用⇒月額総賃料(家賃+管理費)の50%~75%
更新料⇒1万円/年
※これに加えて月額費用がかかる場合あり
【記者の声】
いかがでしたでしょうか。
保証会社は費用がかかるというデメリットはありますが、それでも連帯保証人を見つけるよりはスムーズに物件契約ができるはずです。
連帯保証人よりも入居審査OKになる可能性が高い「保証会社」は外国人のお部屋探しにとっては強い味方であることは間違いありません。