【外国籍不動産投資家必見】日本で不動産投資するなら知っておきたい表面利回りと実質利回り
2024-07-31
日本の不動産投資
円安の影響で人気の高い日本の不動産へ投資を検討している方も多いでしょう。
日本は比較的カントリーリスクも低く、外国人投資家への規制も設けられていないため、日本不動産投資は外国投資家にとって参入しやすいという魅力もあります。
とはいえ、日本の不動産であればどれでもいいわけではありません。投資する際には利回りなどを慎重に比較検討する必要があります。
そこで、この記事では日本で不動産投資する際に知っておきたい表面利回り・実質利回りについて、特徴や計算方法を分かりやすく解説します。
日本の不動産投資における利回りの種類
不動産投資するうえで欠かせない利回りとは、1年あたりの収益が投資額に対してどうなのかを示した指標です。
利回りが高ければより効率よく収益を得られているということになります。
しかし、利回りと一口に言っても、大きく次の2種類があるため違いを押さえておくことが重要です。
・表面利回り
・実質利回り
表面利回り
表面利回り(Gross Rate of Return)とは、物件の価格(投資額)に対して得られる賃料の割合の指標です。
粗利回りやグロス利回り・単純利回りとも呼ばれます。
物件の価格と家賃収入の2つの数字だけでシンプルに算出できるので、大まかな収益性を計る際などで活用されます。
日本の不動産広告やホームページなどで掲載されている利回りは、表面利回りであるケースがほとんどです。
ただし、表面利回りには経費が考慮されていないため、実際の収益性と大きく異なる可能性もあります。
そのため、利回りを考える際には次の紹介する実質利回りまで確認することが重要です。
実質利回り
実質利回り(Actual rate of return)とは、経費まで考慮した利回りのことを言います。
純利回りやネット利回り・NOI利回りなどとも呼ばれます。
家賃収入から経費を差し引いた利益で利回りを計算するため、より実際に近い利回りを知ることが可能です。
表面利回りが高くても、実質利回りが低いというケースは珍しくありません。
物件を検討する際には表面利回りの高さだけで判断するのではなく、実質利回りまでシミュレーションしたうえで検討することが大切です。
wagaya Japanは外国人投資家様の日本での不動産売買を多言語でサポートしております。
お気軽にお問い合わせくださいませ。
表面利回りの特徴と計算方法
表面利回りは、計算がシンプルで簡単に算出できるので大まかな収益性を計るのには適しています。
広告は表面利回りが一般的
前述の通り、日本の不動産チラシやWebサイトなどに掲載されている物件情報で「利回り」と表示されている数字は、表面利回りであることが一般的です。
場合によっては、後で紹介する「想定利回り」でああるケースも少なくありません。
表面利回りは、物件を単純に比較する際には適していますが、経費などのコストが含まれていない、文字通り表面的な利回りにすぎません。
物件情報で利回りが高いから、とすぐに飛びつくと失敗する可能性が高くなるので注意しましょう。
表面利回りの計算方法
表面利回りは、以下の方法で計算できます。
表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100
例えば、年間の家賃収入が500万円で物件価格が4,000万円なら、表面利回りは500万円÷4,000万円×100で12.5%となります。
想定利回りと表面利回りの違い
想定利回りとは、年間の家賃収入を満室と想定して計算する利回りです。
空室が出ていない状況というその物件の最大収益を計ることができます。
一方、表面利回りは基本的に現状の空室状況を考慮して計算するため、仮に物件を購入して投資した場合の投資直後の利回りを把握することが可能です。
例えば、以下の条件で想定利回りと表面利回りを計算してみましょう。
戸数:10戸
家賃:月8万円
稼働率:80%
物件価格:5,000万円
満室時の年間家賃収入は、10万円×8戸×12ヵ月=960万円なので、想定利回りは以下の通りです。
想定利回り=960万円÷5,000万円×100=19.2%
実際の稼働率が80%なので、年間収入は960万円×80%=768万円です。
よって、表面利回りは、以下のようになります。
表面利回り=768万円÷5,000万円×100=15.36%
このように、表面利回りと想定利回りは数値が異なってくる場合があります。
チラシなどに掲載されている利回りが、想定利回りか表面利回りなのかはしっかりチェックすることが大切です。
また、想定利回りを計算する際の家賃のベースがその物件内で最も高い家賃というケースもあります。
何を基準として計算されているかは、必ず確認するようにしましょう。
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実質利回りの特徴と計算方法
どんなに表面利回りが高い物件でも、実質利回りが低いと効率よく収益を得ることはできません。
実際に投資するかを判断する際には、実質利回りまでシミュレーションすることが大切です。
実質利回りは自分で計算する必要がある
表面利回りは、年間収入と物件価格という確定した数字を用いるため、基本的に誰が計算しても同じ数値が算出されます。
そのため、不動産会社のチラシなどでも計算することが可能です。
一方、実質利回りは経費まで考慮されるため計算する人によって結果が異なってきます。
実質利回りの計算時に参入する経費として、代表的な項目には以下のようなものがあります。
・管理費
・修繕積立金
・保険料
・メンテナンス費用
・原状回復費
・広告宣伝費
・外部に管理を委託する場合の委託料
・固定資産税・都市計画税
また、物件価格には購入時の仲介手数料などの諸経費も上乗せして計算します。
修繕積立金や固定資産税はある程度費用が予測できますが、メンテナンス費用や広告料は見込での計算となるため、人によって計上額が変わってきます。
外部の管理会社に委託するか、どの保険に加入するかも投資家の判断によってくるものです。
そもそも、実質利回りで参入する経費については明確な定義やルールはありません。
経費自体も計算時には確定しておらず見込みになるため、計算する人によって結果が異なってきます。
そのため、不動産会社のチラシなどで厳密な実質利回りを提示することができないのです。
実質利回りは、自分でより現実的な経費を想定して自身で計算しなければならない点は、覚えておきましょう。
実質利回りの計算方法
実質利回りは、以下の計算式で算出できます。
実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件価格+購入時の諸費用)×100
購入時の諸費用には、印紙税や仲介手数料・不動産取得税・登録免許税などが挙げられます。
これらの費用はある程度額が分かるので、不動産会社に確認するとよいでしょう。
年間経費は、どのような費用がかかるかを想定してできるだけ具体的に計算することが大切です。
ただ、計算が複雑にもなるため、まずは家賃収入の30%を目安に大まかに計算し、物件を絞り込んだら具体的にするのもよいでしょう。
収益物件の購入を検討する際には実質利回りを求めることが大切
例えば、以下の条件で表面利回り・想定利回り・実質利回りを計算してきます。
・物件価格:5,000万円
・購入の諸費用:400万円
・戸数:10戸
・家賃:月12万円
・稼働率:85%
・年間経費:1,000万円
満室時の家賃収入は、10戸×12万円×12ヵ月=1,440万円です。
一方、稼働率を考慮した実際の家賃収入は1,152万円×85%=1,224万円となります。
よって、想定利回り・表面利回りは以下の通りです。
想定利回り=1,440万円÷5,000万円×100=28.8%
表面利回り=1,224万円÷5,000万円×100=24.5%
また、実質利回りは次のようになります。
実質利回り=(1,224万円-1,000万円)÷(5,000万円+400万円)×100=4.15%
利回りの種類によって、結果が大きく異なることが分かります。
物件を検索する際は表面利回りや想定利回りで良いですが、具体的に物件を比較する段階になったら実質利回りまで考慮して判断するようにしましょう。
まとめ
ここまで、利回りの種類と特徴・計算方法について解説しました。
利回りは投資物件を選ぶ際の重要なポイントですが、利回りの種類によって数値が大きくことなります。
表面利回りがどんなに高くても、実質利回りが低いと効率の良い投資ができません。
また、日本の不動産チラシやサイトに掲載されているのは、基本的には表面利回り・想定利回りという点にも気を付けましょう。
最終的には、実質利回りまでシミュレーションしたうえ投資判断を下すことが大切です。
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